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2004年6月号No.370  2004.6.19

1 ケルン訪問を終えて 加藤 豊神父
2 聖霊降臨の主日 鈴木 紀子
3 “信仰と光”全国集会に参加して 加藤 幸子

      ケルン訪問を終えて

                                  加藤 豊神父
 皆さん既にご存じのように、今年はケルン教区と東京教区とが姉妹教区として共に歩みはじめてから50年となる記念すべき年であります。
 第二次大戦における敗戦国のドイツは、同じく敗戦国の日本と同様、物資の不足と将来的な不安との中で過ごしていたはずです。もちろん教会も例外ではありませんでした。にも関わらず、「貧しいからこそ、貧しさに眼を向けよう」という精神から、ケルン教区は、わたしたち東京教区に多大な寄付をしてくれたのです。その結果、都内の主要な場所に聖堂や信徒ホールが建設され、上智大学や神学院もその恩恵に与りました。こうした現実を見るなら、ケルン教区の援助がなければ、こんにちの日本の教会の状況そのものが大層違ったものになっていたであろうことは、いうまでもありません。
 そもそものきっかけは、当時のケルン教区の教区長であったフリングス枢機卿様と、当時やはり東京教区の教区長であった土井枢機卿様との間で交わされた会話でありました。ケルンが東京に寄付をするのは、上から手を差し伸べるような発想からではなく、あくまでも対等な立場でそうしたいと望まれたフリングス枢機卿様の申し出に対して、土井枢機卿様の側は、以降、東京教区がドイツの教会の司祭召命のために祈ることを、特に聖ボニファチウス(ドイツの守護聖人)の取り次ぎを求めることを約束したのでした。こうして、ヴァチカンを介せずに教区と教区とがお互いに助け合うという稀に見るケースが成立し、そこでの約束に基づいた業は後に「パートナーシップ」と名付けられることになるのです。
 この度のケルン教区におけるその記念行事には、不肖わたしも加えていただくことになり、白柳枢機卿様、そして岡田大司教様と訪問司祭団は約二週間、現地の様々な教会、施設、修道院などを周り、それぞれの場での情報交換、あるいは東京教区についての現状報告などを中心に、マイスナー枢機卿様をはじめケルン教区の皆さんとの交流を深めて参りました。
 正直にいって、キリスト教国としての長い歴史に支えられたドイツの教会のシステムと、ケルン教区の財力に驚かされましたが、なによりわたしが感嘆したのは、個々人の信仰の受けとめ方というのでしょうか? 一人一人のカトリック信者としての自覚的な意識でした。たとえば、教会に矛盾を感じて教会離れをしてしまう人の場合その信念はハツキリしており、また逆に不条理を飲み込んで教会を愛する人もその信念に基づいてのことでした。つまりある人が次の行動に出る決断は、常に信仰の延長線上で成されるような、そんな信仰者の姿勢なのでありました。さて、わたしは…。

      聖霊降臨の主日

                                  鈴木 紀子
 2004年の聖霊降臨の主日は、従来恒例だったミニバザーがとり止めとなりミサに与かった後のパーティーは新しい形で行われることになりました。おまけに加藤神父さまがケルンに出掛けられて不在でしたので、残った我々はミサ後の行事実行に多少の不安を感じていました。しかし、終わってみてすべては全くの杞憂だったことが分かりました。
 当日の軽食当番である南大沢地区が通常の日の2倍以上の軽食を用意してくださいました。これに他の地区の方々もおにぎりを作って参加していただき、食堂は大変賑やかなものでした。さらにいつものことながらコルベ会の献身的な努力による水まんじゅうをはじめとしたデザート、夏ミカンのシロップ、ピールの砂糖づけなどで会場はさらに盛り上がりました。
 結果は、クリスマスに匹敵するほどの大勢の人々が参加して和やかな時間を過ごすことができました。教会行事で心配する必要はない、教会って素晴らしい、を改めて確認することができました。
   

  “信仰と光”全国集会に参加して
                                      
                                   加藤 幸子
 5月22日より、1泊2日で、奈良で行われた“信仰と光”の全国集会に、娘の晶子と2人で、参加してきました。
 今年、18回目となる集会には、関西方面から名古屋、枚方、奈良、大阪、神戸、関東から横浜、所沢、浅草、多摩の9つの共同体、約95名が集い、奈良市にある、カトリック野外礼拝センターの、緑に囲まれた広い敷地の中で、にぎやかな交流の時を持ちました。
 今回の集いは、3年ごとに行われる国内コーディネーター(日本の共同体のまとめ役)選挙の年に当たり、フィリピンから東アジアゾーンコーディネーターのグエンさんが来られ、祈りとていねいな識別、厳正な選挙の結果、所沢共同体の並木邦子さんが国内コーディネーターに選ばれました。
“信仰と光”は約75ケ国に1400余りの共同体がありますが、国内コーディネーターが中心となり、それぞれの地域(日本は東アジアゾーン)、そして世界の共同体と一つの家族としての連帯を感じられるよう、様々な交流の工夫がなされています。
 全国集会のプログラムは、それぞれの共同体が、毎月の集会で行っている内容を、たっぷり時間をかけて行うというものでしたが、2日目、3人の司祭による最後のミサの中では、福音の朗読箇所(主の昇天)を、コアメンバー(知的ハンディをもつメンバー)が、劇で表現してくれて、心あたたまるミサとなりました。関東の4つの共同体はふだんから、親しく行き来していますが、今回、関西の共同体と、初めて交流し、いろいろと刺激を受けました。特に、コアメンバーが生き生きと自分の役目をこなしている姿が印象的でした。
 日本の教会の中では、今のところ、たった9つの小さな共同体ですが、イエスが、小さな人たちと食卓を囲むことを何よりも好まれたことを、いつも思い起こし、小さなしるしとなってゆければと願っています。

PS.初めて晶子と2人で新幹線に乗り、多少ハプニングもありの長旅?でしたが、おかげで少し自信がつきました。主に感謝。

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