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2003年7月号  No.359  2003.7.12

地域協力体から宣教協力体へ 加藤 豊神父
府中教会の子どもたちと捧げるミサ 加藤 泰彦
多摩教会の子供によるミサに参加させていただいて S r 秋山 由美子
多摩教会に“信仰と光”が誕生しました 加藤 幸子
「ふくろうの会」のご報告 藤田 照子

    地域協力体から宣教協力体へ
                       主任司祭  加藤 豊

今年の復活祭を機に「宣教協力体」がスタートしたことは既に皆さんご存じのとおりです。
調布、府中、多摩宣教協力体もそのグループの一つとして動き出しています。そんなわたしたちのグループの特徴としてあげられるのは、たとえば調布はサレジオ会(修道会)が受け持つ教会、府中はミラノ会(宣教会)の神父様に教区がお願いしている教会、多摩は教区直轄の小教区、といった具合にそれぞれのカラーが違うことです(わたしたちのグループ以外にもこぅした組み合わせはありますが、比率が2対1対1だったり、3対2対1だったりします)。
 修道会、宣教会、教区直轄、この時点で三教会は歴史も雰囲気も随分違うんだろうな、と想像できてしまうのですが、違うから一つになれないと考えるのはあまりに悲観的な見方だと思います。これは一人一人についてもいえることですが、わたしたちは皆カトリック信者であり、この点に気を配るならお互いの個性の違いは溝となるよりむしろ豊かさに繋がるものでありましよう(もちろん個性よりエゴが強くなるべきではありませんが)。以前の地域協力体を経て新たに宣教協力体が設けられた今、わたしたちは各教会それぞれの個性を保ちつつ、それでいて同じグループの仲間なんだという意識を深めていきたいものであります。
 ところで旧地域協力体と今回の宣教協力体とはどこが異なるのでしようか?ひとつには先ず宣教協力体の指針には対外的な視点があることです。地域協力体(またはそれ以前のブロック)の場合、おもに各教会間の合同行事に力が注がれ、企画イベントを中心に活動していた結果、共同体相互の自己目的化はかえって強化されてしまいました。お互いの親睦にはかなり有益でしたが、なかなかその後の方向性が見いだせないまま年々負担が増すばかりとなっていました。これに対して宣教協力体は最初にその方向性が示され、それに基づいてお互いを補い合おうという発想から生じたものでした。
 教会はその本来の姿、すなわち他者性を取り戻さねばならない、それが『新しい一歩』の理念です。自己目的化の危機に直面する教会にあって、とりつく島もない司祭や紛糾する大人たちの姿を間近に見る子どもたちは、しだいに教会とは何かがわからなくなり、成長するにつれそこから足が遠のいてしまい、未来の担い手が減少したその小教区は弱体化し、ついには・・・これが最悪のシナリオです。そこで小教区という枠組みを取り外してわたしたちの原点をもう一度見つめ直してみよう、という大胆な主張が現れました。『福音的使命を生きる』です。それはまた所属教会の栄光追求を一端脇に置かせ、一人一人の魂の振り返りへと、そしてカラーの違う憐の教会や地域社会が抱える諸問題の緩和へと、わたしたちカトリック信者を向かわしめると同時に、そもそも教会ってなんだ?そもそもミサってなんだ?といった信仰の根幹に関わるテーマを複数の小教区(複数の聖堂 共同体)の個性ひしめく宣教協力体のなかで皆で一緒に考えよう、という提案でもありました。宣教協力体の発足、それはこんにちのわたしたちにとってまさに新しい一歩であり、否応なくこんがらがってしまう現代人の信仰生活をどうにか整理するための打開策だったのです。


    府中教会の子どもたちと捧げるミサ
                       加藤 泰彦(南大沢)

 今まで3月と5月の子供の節句の時期に合わせて行われていた、子供の奉仕によるミ サが、この夏から、第5日曜日に行なわれることになりました。6月の最後の日曜日が、 この第一回目でしたが、ちょうどこれに合わせて、同じ宣教協力体の一員である府中教会の子供たちとリーダーが、多摩教会を訪れました。総勢約30人。10時のミサに間に合うようにと、集まってこられました。
 ともにミサをささげた後で、府中教会の人気バンド「グローリー・ビー」が歌の披露をしてくれました。お返しに、加藤神父と小俣さんがギター演奏。聖堂の内部の紹介なども加えて、交流のひとときを持ちました。
 昼のお弁当をはさんでの短い時間でしたが、少しずつ2つの共同体の交わりが、始まってきたなという実感を、多くの方々が感じられたのではないでしょうか。
 機会を見つけて、今度は府中の教会に子供たちとともにお邪魔できればと思っています。


 『多摩教会の子供によるミサに参加させていただいて』
                        S r 秋山 由美子

 去る6月29日、私達府中教会の教会学校の面々が多摩教会の子供によるミサに与ら せていただきました。
 多摩教会の子供のミサに参加させていただいたことで、府中教会の子供達は、ひとつの大事なことを学んだのではないかと思います。それは、ミサに与るということは心をこめて、心を神様に向けることなのだということを、子供達は一人一人それなりに実際に体験したのではないかなということです。
 他の教会のミサ、しかも自分たちと同じ子供によるミサということで、子供なりに心を改め、お行儀をよくしてみたら何となく、その体験ができたということでしょうか。同時に、大人である私達も子供達と一緒に学ばさせていただいた思いで一杯です。
 このような機会を与えてくださった神様と多摩教会の皆様に感謝いたします。
 これからの教会「宣教協力体」の発展のためには、若い世代の交流、子供達の交流が必要であり、それが今歩み始めたのだな〜と実感しつつ、6月29日のミサの中で、加藤神父様が話されたことを思い出しております。
 “うまく行かなくてもいい、失敗してもいい、大事なのは、心を神様に向けること”と。



    多摩教会に“信仰と光”が誕生しました
                    加藤 幸子(南大沢)
                                    
 6月21日(士)信徒館ホールで「信仰と光共同体」の第一回の集いが行われました。
“信仰と光”という名前を初めて耳にされた方もいらっしゃると思いますが、少し説明させていただきます。
 この共同体が創られたきっかけには、「ラルシュ共同体」のジャン・パニエ氏が関わっているのですが、“ラルシュ”が知的ハンディをもった人たちとの生活の場であるのに対し、“信仰と光”は、知的ハンディをもった人、その親、友人になりたい人などが定期的に集い、次第に友達になっていく、そんな共同体です。
 この集いの特色は、知的ハンディをもった人たちが、社会や教会に、何か大切なものを与え、人の心を解放してくれる存在だと信じて集まっている点にあります。
 内容は、祈り、祝い、分かち合いの三つの往からなり、集まったメンバーたちに、ふさわしい場となるように、アレンジされます。実際は、歌あり、ゲームあり、お茶あり、むずかしいことは一切ないのも特色です。
 組織としては、全世界に広がっている共同体ですが、日本の関東地方には、横浜、所沢、浅草の三つの共同体がそれぞれ、小教区に属して活動しています。個人的には、私は浅草教会に、娘の晶子を連れて参加していたのですが、徐々に多摩教会でも、集いを持ちたいという思いが募り、今回実現しました。
 初回は、多摩からは、ゆうたろう、アキコ、ヤスエちゃん、ヤスエちゃんの友人・横浜からゆりちゃんらが参加してくれ、たくさんのよいものを皆に与えてくれました。
 何か“よいもの”を得たいと思われる方は、どなたでも気楽に参加してみてください。毎月、第3土曜日午後2時からを予定しています。
 次回は、7月19日(土)午後2時から、信徒館ホールです。


       「ふくろうの会」のご報告
                       豊ヶ丘 藤田 照子

 昨年5月、カトリック・ニューズに「ふくろうの会」発足のお知らせを掲載して頂きましたが、その後の経過をご報告致します。
 第1回目を、昨年4月に宮下神父様にお越しいただき、お食事会を致しました。そして第8回目に、加藤神父様にお越しいただき、共に粗食を囲みながら、交わりのひとときを、楽しく過ごさせて頂きました。現在までに9回のお食事とおしゃべりの会を持ちました。
 貝取コミニユティセンター「こぶし館」を利用して、毎回12〜13名の集いとなっておりますが、最初の呼びかけに応えてくださった方、ご近所の方が中心で、毎回25名前後の方にご連絡をしておりますが、不思議なことに、食器の数が丁度間に合うだけの人数がお集まりになります。
 最初は、いろいろなタレントをお持ちの方がいらっしゃいますので、お食事の後、なにか‥・とも思いましたが、おしゃべりの中でたくさんのお恵みを頂戴しております。
 例えば、私はメールなんて・・・邪道とさえ思っていたのですが、第1回目に大先輩の∪さんが、それはそれは、楽しそうに話しておられたのに、すっかり刺激され、メールを始めてしまいました。今では、パソコンが無い生活は、考えられない程にハマッテおります。教会では話題にできないこと、失敗談、ご主人をまな板に乗せることも・・・ある方はご主人のことを・・・クジラ・・だと・・・(私はトドですが・・・)。時には、ご一緒にお祈りをさせていただくこともあります。とにかくご参加くださる皆様のお陰で楽しい会になっております。
 残念ながら、新しくご参加いただくのは、無理かもしれませんが、興味がおありの方は、お声を掛けてくだされば、空きがあった時にこちらからお知らせすることができると思います。
 神様の恵みと皆様の祈りの内に「ふくろうの会」が支えられていることを感謝して、ご報告をさせていただきます。


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