2018年1月号 No.533

発行 : 2018年1月20日
【 巻頭言:主任司祭 豊島 治 】


前進します

主任司祭 豊島 治

 多摩カトリックニューズ今月号が発行されるのは1月20日大寒です。暦では一番寒い日ということですからこれから気候がかわって寒さが和らぐことが期待されます。
 教会共同体として、この時期に総会を行っています。普段どれだけ他者のために祈っているか、励ましているか、奉仕しているかという信仰者としての重要なことは文字化不可能ですから、互いにうかがい知ることは難しいです。総会では数字や文字になるものだけ一部報告がされます。
 『教会は、誰かが経営をしているお店にお客さんがやってくるようなそういう存在ではなく、その共同体に属するすべての人によって成り立つ存在です。それは教区共同体も、小教区共同体も同じことであります。信徒、司祭、修道者が、それぞれ共同体の中で役割を果たし、責任を分担していくことで、一つの体は成立いたします。その意味で、継続した信仰養成は重要であり、そのためのリーダーには、信徒の方々にも積極的に関わっていただきたいとわたしは思います』
 と菊地新大司教も年頭にのべられています。
 2月11日、総会です。多摩教会在籍の方はご出席ください。

 さて、そのほかにも共同体としての歩みは止まることなく動いています。
 2月11日は聖ヨハネパウロ2世教皇が定めた「世界病者の日」となっています。

『病気で苦しんでいる皆様、まさにキリストの傷を通して、わたしたちは人類を苦しめているすべての悪に希望のまなざしを向けることができます。復活において主は、世界から苦しみと悪を取り去りはしませんでしたが、根源においてそれらを打ち負かしたのです。主は全能の愛をもって、悪の傲慢を退けました。そして、平和と喜びへの道は愛であることを、わたしたちに示したのです。』(2011年ベネディクト16世病者の日メッセージ)

 教会のなかに、またひとりひとりの信仰者の日々の関わりの中に、病気の苦しみの中にある方が多くおられます。すべての悪を打ち負かした主における希望を、私たち信仰者がその言動を通じて、苦しみのうちにある方々に伝えていくことができるよう、2月10日土曜日、11日日曜日の多摩教会ミサで取次をもとめる方の名前をささげて祈ります。東京教区としての病者の日のミサは12日(振替休日)13時30分からカテドラルです。

 2月14日は灰の水曜日で大斎・小斎の日です。10時から多摩教会でミサと灰の式が行われます。その週の土日四旬節第一主日2月17日(土)18日(日)には中央協議会カトリック新聞・出版部長の松浦謙神父様がいらして司教様方の活動広報物を紹介していただきます。販売会でよい本と出合えるかもしれません。

 2月22日から、福島県南相馬・浪江地区被災地&福島第一原発へ多摩教会代表が訪問します。実施に向けて現在各施設との最終打合せの段階ですが、実り多きものとなるようにお祈りください。

 今年もいつもの通り多摩教会は活動していくことでしょう。感謝申し上げます。よろしくおねがいします。

【 連載コラム 】


荒野のオアシス教会を目指して
= やさしく、あたたかく、心からのオアシスづくり =
連載コラム「スローガンの実現に向かって」第85回
祈りと聖劇の夕べ

実行委員長 落合・鶴牧地区 H.S

 カトリックの洗礼を受けて間もない私は、多摩教会でいつからこの時期に「祈りと聖劇の夕べ」が行われているかを知りません。2014年12月23日に聖劇「あぶう ばぶう」が上演され、大人と子供が一緒に歌ったり踊ったりしたこと、2015年には聖劇を若葉台のiプラザで上演したので、教会では歌と合唱だけだったこと、2016年から現在の子供の聖劇と大人の合唱とが行われる現在の形になったことが記憶にあります。昨年は12月23日に「祈り、合唱、聖劇」の3部から成る「祈りと聖劇の夕べ」が行われました。
 このイベントは、「ミサは敷居が高いが、聖劇や歌なら教会に行ってもいいかな」と考える教会周辺の方々に、足を運んでいただくことを主目的としています。当日の入場者は約130名。アンケートの集計から推測すると、半数が多摩教会の信者以外の方々です。

 開始が午後2時なのでキャンドルサービスはなく、多摩教会合唱団「ぶどうの実」男声メンバー7人のグレゴリオ聖歌「Hodie Christus Natus Est(今日救い主がお生まれになった)」とともに豊島神父様が入堂され、祈りが捧げられました。続いてルカによる福音書のイエスご生誕の場面が朗読され、そして神父様にご講話をいただきました。

 その後は「ぶどうの実」による合唱です。テーマは「ヨーロッパで昔から歌われているクリスマスキャロル」。かつては女声合唱団だった「ぶどうの実」ですが、答唱詩編担当の「おっさんシンガーズ」と2年前に合併し、また新人男性も加わって今では25名の混声合唱団となっています。
 今回は9月から練習を始め、20分足らずの合唱を披露するのに30時間もの練習をしてきました。でも一朝一夕にはうまくならず、暗い気持ちで帰路に着く日もありました。子供の聖劇を楽しみに来られたお客様をがっかりさせるわけにも行きません。でも、アンケートの結果を見て、ちょっと安心しました。信者の方々の温かいご意見も多分に含まれていると思いますが、「大変満足」「満足」の合計が回答の87%に上り、「オアシス」を感じられた方がいらっしゃれば、主催者としては大変嬉しく思います。

 続いては子供たちによる聖劇ですが、こちらは教会学校ご担当の下津さんに書いていただきました。
 「今年の聖劇は、受胎告知の場面を最初に入れました。ガブリエルが受胎告知をマリアにする場面から劇が始まっています。また、劇の間の歌も信徒の方々がご存知の歌を使おうと考えました。『しずけき』『あめのみ使いの』『まきびと』などです。最後は、聖堂にいらっしゃる皆様と共に合唱をという事で、『もろびと こぞりて』を選んでみました。また、今年の聖劇は、教会学校を卒業した中高生や幼児も参加してくれました。年齢は2歳から17歳まででしょうか。幅広い年齢の子供たちが集まって作り上げた聖劇は、私にとっても思い出深いものとなりました。」

 最後になりましたが、舞台設営や照明をいつも担当してくださる寺田さん親子、広報と美しいチラシ・プログラムデザインを作成の小野原さんご夫婦、発声がプロ顔負けだった司会の伊藤さん(ジュニア)、パーティーのために早くから準備いただいた齋藤さん、竹内さん、聖書朗読の佐内さん(ジュニア)、シロート集団のぶどうの実の発声をご指導いただいた三浦先生他、皆様方のご協力なしにはこの祈りと聖劇の夕べが成り立ちませんでした。この場をお借りして御礼申し上げます。