巻頭言:主任司祭 晴佐久昌英 神父

「多摩教会からのお誘い」をご活用ください

主任司祭 晴佐久 昌英神父

 「カトリック多摩教会からのお誘い」という水色のプリントを、入門係事務局の協力で製作しました。ぜひ、信者のみなさんに活用していただきたいと思います。
 これは、まだカトリック教会のことを知らない方たちに教会のことを知ってもらう案内書であり、ぜひわたしたちの多摩教会へおいでくださいとお誘いする内容です。
 教会について信仰について、そして洗礼についてお知らせしたいことはたくさんありますが、まずは全く知らない人にほんの少しでも関心を持ってもらうきっかけとなることを目的としているので、内容は最も基本的なことだけを載せ、両面刷り一枚を二つに折った簡単なものにしました。
 この「お誘い」の利用方法はいたって単純です。みなさんがこれはと思う人に渡すだけです。そのためにご家庭に複数枚常備し、できればいつでも持ち歩いていただければ。このような「お誘い」がいつどこで必要となるか、分かりませんから。
 もちろん、お誘いの基本は、みなさん自身の言葉でのお誘いです。
「わたしの通ってる教会、とてもいい教会ですよ」
「今度ぜひ、一緒に行ってみませんか」
「入門講座は、だれでも参加できて、わかりやすいお話です」
「しつこく勧誘されることはないので、安心して訪ねてみてください」
 などなど、みなさん自身が相手との信頼関係の中でお誘いするのが第一であることは言うまでもありません。ただ、そんなときに、教会の本質や洗礼の意味、具体的なコンタクトの方法などが書かれたプリントが一枚あれば便利ですし、お誘いもしやすくなるでしょうからお役立てください、ということです。

 内容ですが、第一面は「あなたは神の子であって神の愛によって生きている」という福音です。そして、その神の愛を教えてくれたイエスを信じ、真の神の子となるのが洗礼であると書かれています。今年の洗礼式の写真も載せました。もちろん、いきなり洗礼というのに抵抗感を感じる人もいますから、教会を訪ねたら必ず洗礼を受けなければならないというわけではないことは、補っていただきたいところです。しかし、今のカトリック教会はあまりにも洗礼のことを言わなさ過ぎるのも事実です。現実に「どうすれば洗礼を受けられるのか分からなかった」「だれも勧めてくれなかったし、自分が受けるなんて考えもしなかった」「もっと早く知っていれば」というような声は多く聞かれます。そこで、このお誘いは教会へのお誘いであり、当然それは洗礼へのお誘いであることをあえて前面に出しています。
 第二面には、カトリック教会の紹介と、洗礼までの具体的なプロセスが載っています。入門講座の日時と、次回の洗礼式が2011年4月23日であることなど。ちなみにこのお誘いは2010年バージョンであり、新しい日付等が入ったものが毎年色違いで出ますので、古いものは各自で処分してください。
 第三面は、ミサのご案内です。教会への初めの一歩は入門講座からと思われるかもしれませんが、まずはミサからという、ミサの力への信頼も大切です。その人によってどちらがいいかは異なってくるとは思いますが、ミサは神の愛に直接触れる恵みの場ですから、臆することなく誘ってみてください。初めてミサに出たとき涙が止まらなかった、という人はめずらしくありません。教会の連絡先、ホームページのアドレスも載せました。入門講座の家庭的な雰囲気を感じさせる写真も載っています。
 最終面には、今年度の入門講座の講師の紹介と、特につらい思いを抱えて救いを求めている方にこそ来ていただきたいことなどを書きました。また、講座はいつからでも参加できること、そしてあなたが招かれているのだということに触れています。入門係一同の精一杯の笑顔の写真も載せました。

 小さな工夫ですが、大きな可能性を秘めています。ぜひ、実際にだれかに渡してください。その一枚で人生がまったく変わったということが、現実にあるのです。
 多摩教会の守護聖人、コルベ神父様が日本に来てまずしたことは、印刷機でパンフレットを刷ることでした。この一冊で苦しんでいる人が必ず救われると信じて、インクまみれになっている聖人のお姿が目に浮かびます。