「荒野のオアシス教会を目指して」
連載コラム「スローガンの実現に向かって」第61回
青年会と聖劇
僕は、母の紹介で多摩教会に導かれ、2014年5月にプロテスタントからカトリックに転会しました。
司式司祭はもちろん晴佐久昌英神父さまです。きっかけは、やはり晴佐久神父様の心に届くお説教でした。そして、初めて多摩教会に来た時に、教会にいる皆様が家族のように温かく迎えてくださり、ほっこりとした気持ちにさせられたこと覚えています。 まさに、多摩教会は神様の恵みが溢れる、オアシスのような空間でした。
僕の教会生活を大きく変えた一人の青年との出会いがありました。それは、青年会リーダーである伊禮正太郎くんとの出会いです。
2015年の年明けに、現在の青年会のリーダーである正太郎くんと喫茶店で「青年会を正式に立ち上げて、新しい青年や若い人が集える環境を作っていこう」ということを話し、活動内容などについて話し合いました 。2015年3月の司牧評議会で無事に承認され、青年会の活動が正式にスタート。毎月1度交流会を開催したり、クリスマスミサや成人祝いにおける特別交流会の開催など青年世代が交流する機会を提供する働きをさせていただきました。また、8月に奄美大島で行われた中高生キャンプでは、青年会のメンバーがお世話役を担当しました。
12月27日に行われたミュージカル「みんなの家」。ミュージカルでは 青年会メンバーがメインキャストを務めることになりました。ご存じのとおり、青年会のリーダー、正太郎くんが主役(健太)で、僕は神父役でした。10月から演技の練習を開始しましたが、練習が始まった頃、残り3カ月で本当に完成できるだろうか。少し不安な気持ちがあったことを覚えています。しかし、そんな時こそ、信仰にたって、神様に信頼してやっていこう! きっと大丈夫だ!そう信じてお祈りしました。
最初の頃は声もあまり出ていなくて、「もっと大きな声で、はっきりと」と神父さんからもご指導いただきました。また、セリフが棒読みになったり、立ち振る舞いがうまくできず、演じることが思っていた以上に難しいことなんだ、と感じることもありました。それでも、何としてでもこの舞台を成功させたい。関係者全員がそういう気持ちで一つになって頑張りました。本番当日、満員御礼の中、舞台はたくさんの方に感動を届けることができ、大盛況の内に終えることができました。
このミュージカルを通して、たくさんの方と神様の「愛」や「喜び」を共感することができ本当に嬉しかったです。まさにこれが神様の奇跡ですね。また、一つひとつの出逢いもまた神様のご計画の実現につながっているんだと思いました。また、僕たち青年会のメンバーがあの大きな舞台に立つことができたのは、神父さまをはじめ、実行委員の皆様、スタッフの皆さん、このミュージカルに関わってくださったすべての方々が力を尽くしてくださったおかげです。本当にありがとうございました。
この舞台を通じて分かったこと、それは、どんなことだって本気でやればできるってこと。新しいことをはじめる時は、最初は不安や心配な気持ちが押し寄せてくるものだけれど、神様に信頼してやっていけば、どんな壁だって、必ず、乗り越えられるってことを教えていただいたような気がします。
「主はあなたの心の願いを叶えてくださる。あなたの道を主に委ねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げて下さる」 (詩篇37章4-6節)