巻頭言:主任司祭 豊島 治「祝います」

祝います

主任司祭 豊島 治

 春一番も過ぎ、教会周辺は梅の香がひろがり、すぐ横の乞田川沿いの桜の蕾もふくらんでいます。多摩周辺の桜の開花宣言予定は3月22日、見頃は4月4日と報じられています。近くに桜並木が一望できるという場所はそう多くありません。多摩教会はそのひとつです。「桜の咲く時期に多摩教会にいきますね」と副都心に住んでおられる方がおっしゃいます。
 この春、京王線と小田急線のダイヤ改訂が行われ、新宿から教会最寄り駅のひとつ京王永山駅までノンストップ(所要時間24分)でいく京王ライナーが運行されました。またこの京王ライナーは聖蹟桜ヶ丘駅(同26分)方面へも運行しています。小田急線は多摩線に向かう列車を増発・最速化しています。どちらも多摩教会ミサ時間帯のための便宜には直接は寄与しませんが、各々多摩地域に対して人の動きを活性化したいという企業の思いが感じられます。

 桜の開花がそろうと思われる4月1日が今年の復活祭です。今年の復活祭は多摩教会第五代主任司祭の宮下良平神父さまにミサ主司式していただきます。今年司祭になられて25年を迎えられた宮下神父さまは、2003年までの多摩教会在任中聖堂建設や、その後の運営の基礎を作られた神父さまです。
 現在の聖堂は2000年に献堂されて今日に至ります。旅する教会として信徒のお家におじゃまして、主日のミサをささげはじめた今から46年前の1972年、それから拠点をうつして「マンション教会」へ、そして「聖堂をもつ教会(聖堂共同体)」として成ったのがこの時といえるのでしょう。

 あれから18年、多摩教会は大規模なメンテナンスの時期になりそうです。復活祭直後から片付けをはじめ、夏以降まで使わないものは仮倉庫に移しますのでご協力を願います。信徒総会で説明されていたとおり、4月中頃から空調の交換工事を行います。空調工事期間は5月いっぱいを予定していますが、延びることも考えられます。土曜日・日曜日・初金のミサは通常通り行えます。建物内駐車スペースは一階手前右側2台分が資材置き場となります。ご了承ください。
 月曜日から金曜日(初金を除く)は、工事関係者の出入りにともなう安全対策のため月曜日から金曜日の聖体訪問については、聖堂のいつものところでなく、構内別の場所に移します。時間などの制約が新たにあるかもしれませんが入り口掲示板などご確認のうえいらしてください。期間中の葬儀については現聖堂献堂まえまで使用していた多摩教会仮聖堂(現在のホール)で行うか、府中教会の聖堂で行うかを選んでいただきます。

 今回の空調ならびに聖堂における各メンテナンスはおよそ5年におよぶリサーチの上に成り立っています。「旅する教会時代」の方と近年の「教会家族」「福音宣言」のもと多摩教会に集い始めた方が、一緒にこのことを考えすすめてきました。そのおかげで、東京教区の法人本部にわたしたちの今後のことを的確に伝えることができました。
 わたしたちの聖堂全面に内包されている空調の馬力は16馬力のものが二台備わっていたのです。このお陰で外気の温度差をうけやすい聖堂内構造でもふさわしい温度設定が保てていたのでしょう。交換後も同じものとなります。

 この聖堂に集えることを今一度恵みとして感じることができるように、復活祭のミサでは加えてささげましょう。