主任司祭 豊島 治
連日うだるような暑さがつづき、夏休みシーズンにはいりました。
年々暑さを増していくように感じる傾向をとらえ、どの観測ポイントが最高気温だったかを競う「暑さ自慢」という地域の楽しみイベントがあるときくと何でも前向きにとらえることが力になるのだなと感じます。
連日の暑さで聖堂の生花もたった数日で力をなくしてしまいます。先日祭壇の生花のなかでたった一本ですがこの酷暑の四日間を生き延びている草がありました。
花や草、そして木は他のところに移動することができません。花・草・木が動くなどは原則考えられない、置かれた場所・条件で自分のありのままを示すことになるのです。さらにその成長は
◎ ゆっくり
◎ 少しずつ
◎ 知らないうちに
なされます。
私たち人はどうでしょうか。人は移動することで自分が心地よい状況に向かうことができます。逆に人は自分の思い通りにならないとストレスになることがあります。
「置かれた場所で咲きなさい。」あるシスターの有名な言葉がありました。あらゆる危険を回避するために行動することは大事です。その一方、「静」のなかで得られる気づきも生きる力(ちから)になるのです。
私たちに同伴してくださる神さまの導きにおいてゆっくり・少しずつ・知らないうちに信仰者にしてくれている。その信頼をもとに適度な温度管理のもとで祈りをもってすごしてみてはいかがでしょうか。