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受付室窓口から

神田 高志

  受付室ガラス窓に本日の当番表氏名を表示している。初めて訪ねて来られる方々は先ずそれに目をやられ、それから声をかけてこられる。
 その一瞬の雰囲気を逃がさず判断して、窓をあけて応対する。先方様にいやがられないと判断したうえで、率先して聖堂など御案内することにしております。
 この頃の訪問者は広報部の成果といいますか、ホームページを見て来られた方が増えております。すでにコルベ神父様の聖なる御遺物は御存知の方も多く、又反対に全く知らなくて驚かれる方もおられるのは不思議ではないと思います。この事については少し詳しく書きたいと思っておりますが、紙面の都合であと回しにさせて頂きます。
 さて、先日午後五島出身の方で現在は栃木県に住んでいて、近くにいる御子息のお嫁さんのお産のおてつだいに来ているというMSさんが訪ねてこられた。この方の本当の目的は晴佐久神父様の主日のミサにあずかり、生の説教を聞きしたい。その為に前もって道順等下調べに訪ねて来られた由。
 永山駅から教会までの道すがら、初めての教会でどうか良きお話し相手にめぐり会えますようにと願いつつ来られたとお聞きして恐縮した次第ですが、小生こそ全く同じ様な思いでこの日勤めていたものであります。
 11月3日、休日で一日当番表が空白でした。この様な祭日に教会外からの訪問者が来られるにちがいない、このような日こそ小生の出番であると勇んで朝9時から夕方5時半迄一日勤めた次第です。ちなみに晴佐久神父様は12時頃高円寺教会へ出かけられた。澤田和夫神父様ダイヤモンド祝ミサの為に。
 澤田神父様といえば、多摩教会発足当初、農協でのミサ、関戸ビル505号室2DKマンションでの最初の黙想会。私的には家内と二人浅草教会を訪問した折、キリシタンの詩をうたって下さったなど、貴重な思い出を持っております。
 話は戻りますが、MSさんへ聖堂にコルベ神父様の聖遺物がございますよ、と告げると一瞬言葉がとぎれて「エー、エー、エー」。
 実はMSさんのお母様冨美子様は長崎から帰国されるコルベ神父様から直接マリア像を頂かれたそうです。その御像は現在妹さん宅にあって、3月11日の大地震に棚から落ちてもこわれなかったそうです。それをお聞きして、今度は小生の方が「エー、エー、エー」。この後台所に席を移して合わせて1時間30〜40分位も話し込みました。
 この日には他にも潮見教会の御婦人、前記MSさんお二人合わせて売店アンジエラでも合計7,000円近く買物して頂いた。午前の電話は宮古の御婦人、三軒茶屋の方他、もちろん当教会信徒の方々も4〜5名顔をみせられたし、本当に良い一日でした。
 訪ねて来られるのは、こんなにいい人達ばかりではありません。中にはサタンの回し者かと思われる様な人も入って来られます。デスク?から顔を上げて窓の外をみる時は緊張の一瞬です。最高に気が抜けないのは、二階から足早に音もなく来られる晴佐久神父様の時で、自分は何も隠れて悪い事をしていないにもかかわらず、神父様のスピードに巻きこまれてあわててしまう。
 やはり罪深い人間である証しなのでしょうか。