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2002年9月号 No.349 2002.9.14

1 多摩教会の皆様 佐々木治夫
2 聖母被昇天によせて 岩藤 大和
3 カレー当番 加勇田明子
4 第29回平和祈願祭に出席して 松原  睦
多摩教会の皆様                     佐々木治夫

 7月始めにすぱらしい小包を2つも頂きながら、こんなにもお礼の手紙が遅れてしま い赤面の至りです。お赦しください。
 実は、1月末に、左膝の大きな手術をし、半年経った今も、長く座ったり立ったり していると痛みますので、事務が完全に遅滞してしまい、皆様にご迷惑をおかけいた しております。お陰さまで普通に歩くには不自由を感じなくなり感謝致しております。 あと半年の辛抱でしょう。贅沢な不平ですね。
 そんなことで、今年の10月12日に行われる、フマニタスの創立25周年の準備も遅れ てしまい、少々焦り気味です。この25年間、皆様からどれほどのご支援を頂いたこと でしょうか。皆様とご一緒に感謝と喜びを分かち合うことができれぱ幸いです。
 プラジルの政治は、10月6日の総選挙を控えてほとんどストッブ状態で、左翼の候 補者が大統領に選ぱれたらという思惑から、経済もがたがたで、国民に不安をつのら せています。こうした中で国民の貧困化にも拍車がかかり、私どもの仕事は増えこそ すれ減ることはありません。特に、田舎の中小農の貧困化は激しく、折角、農地改革 で得た農地の開拓ができず、私のような素人まで出て行って、堆肥の作り方の講習会 を開かなけれぱならない状態です。”貧すれぱ鈍す”と言われますが、それ以上に落 胆と失望との戦いが大きいです。
 待望の雨が降り始め、種蒔きが本格化します。皆の希望を膨らます恵の雨です。こ れで皆が元気になるでしょう。お元気でご活躍のほどを
2002年6月17日



聖母被昇天によせて                   岩藤大和

 祝賀会:二人の幼児洗礼のあった聖母被昇天のミサの後は、恒例の祝賀パーティー だ。外のテントでは首にタオル、両手に軍手の男性たちは赤々と熾した炭火で、焼肉 はジュウジュウ音を立てて焼かれる。額には大粒の汗。煙とともに美味しそうな匂い が立ち込めてくる。焼そばも鉄板の上で手捌きよろしく解され、味付けされる度に、 美味しそうな色に変わっていく。紙皿にどっさり盛ってもらって嬉しそうな子供たち。 一杯になった信徒館では神父さんの挨拶に続いて乾杯。日中の暑さに冷えたビールは 格別で食欲もそそる。青年たちのグループ、お年寄りたちのグループ、シスターや家 族など夫々がテーブルを囲み、あるいは涼しくなった外で楽しい会話。例年繰り広げ られる8月15日のお祝いパーティーの光景だ。被昇天祝賀の準備は男性が担当するこ とになっている。食材買い入れのため朝10時に先発メンバーが集まり午前中に買出し、 午後からそれらの仕込み。2時にはテント張りなど会場設営に1O数人が集まり、作業 開始。玉の汗が流れ目に染みる。3時過ぎには準備も完了、4時からのごミサを待つぱ かりになった。………
 楽しく祝ったパーティーも、昼問の熱気を残しながら2時間近くで散会、無事終了 した全ての後片付けも終わった。そして今、平和で、豊かさに恵まれていることを改 めて感じ、聖母に感謝する1日だった。

 聖母被昇天:8月15日聖母被昇天の「聖書と典礼」は、「神の母の眠り」と題する イコンが表紙になっている。ベッドの上で聖母が手を合わせて横たわり、何人かの人 が皆、眉を寄せて取り囲み、主が中央で全体を包み見守っている。地上での生涯が終 わった後、天の栄光に引き上げられる聖母の大ドラマを秘めて描いたものと思う。聖 母の生涯がここに結集している。8月15日午前10時、多摩教会ではHさんの告別式が行 われた。自分を捨てて、親代わりに兄弟の世話をされたHさんの棺の顔は、とても安 らかで力強ささえ感じられた。天の栄光に迎えられた「聖母の眠り」と重なって見え る。末期がんで入院中のHさんは生前、「出来ることなら聖母被昇天の日に葬式を」 と言われており、その通りになった。人は誰も「最後の大仕事」を避けては通れない。 聖母の生き方を、被昇天の日にHさんは最も身近に私たちに教えてくれたような気が する。



カレー当番         加勇田明子

その1
A 「これ、どうかしら?すこしお酢足した方がいいかしら?」
B 「そうね、少し味が薄いわね。」
A 「これでどう?まだ足りないかしら?」
B 「う一ん、もう少し塩入れたら。」
A 「これでいいかしら?」
C 「どれどれ、カレーの付け合せだからあんまり濃くてもね、これでいいんじゃない?」
A 「しや、これで決まり。」
 これは、軽食当番の時のサラダの味について会話です。他の人達もそれぞれの持ち 場を気にしつつ、三人をじっと見つめています。そして、OKが出てホッとしてまた手 を動かし始めました。初めて参加した私はビックリして見ていました本当にビックリ したのです。この様子になぜなら、食べることも作ることも大好きな私ですが、こん なに真剣に料理をしたことなど一度もなかったからです。この日の作業を通して、同 じ班の人達の顔と名前を半分ぐらい覚えることができました。

その2(2回目か4回目の当番)
 その日は一手際よく御ミサの15分前にカレーが完成しました。
私 「こんなに早くできてどうするの?」とDさんに聞きました。
D 「お祈りしているのよ。」
私 「えっ!どこで?」
D 「御聖堂よ。御ミサの前にお祈りしているのよ。」
私 「15分も前から…。」
 いつも御ミサにギリギリセーフの私には、思いがけない答えでした。多摩教会につ いて、またはキリスト教について、あれこれ質間する私に、率直に何でも答えてくれ るDさんです。すっかり慣れてふざけた会話を楽しむことが多くなっていただけにビッ クリしました。そして、ソッと顔を見たらまじめでした。『アッ、Dさんは深い信仰 の人だったのだ』とその時思い出したのでした。.そして、私も祈りました。  カレー当番のおかげで数ヶ月でいろいろな人と仲良くなれました。毎回新しい発見 があって当番は楽しいです。「他の教会も真似をすればいいのに」と思っていたら、 先日の「地の塩」(カトリック新聞)に、「お茶のサービスのある教会に行ったら、 明るく気時ちよかったので、自分の教会でもやってみたら雰囲気が良くなった」とい うようなことが載っていました。「お茶よりごはんだ」と思いながら読みました。と もに作業をするということが大切なのです。新しい人にとって、ごちそうで歓迎され るより粗食を作るグループに参加する方がずっと楽しく意義があるということを、こ の教会で体験したからです。受洗して40年近くなりますが、ニュースで様々な社会情 勢を知るたびに、また思いどおりにならない身近なことを考えるたびに、信仰がフラ フラする私です。こんなことから、教会のことも一貫して消極的だったのですが今は 違います。それは御ミサのお説教がとても分かりやすいので、積極的にあずかるよう になったからです。そして、楽しいカレー当番があるからです。
 ところで、「教会が好きだから」、「以前よりは教会活動に積極的になったから」 私の揺らぐ信仰に変化があったかというとそうではありません。でも教会に通ううち に、いつか何かが少しずつ変わるかもしれません。・・・・?




8月10日・第29回平和祈願祭に出席して        (府中)松原 睦

 昨年と違って、今年は炎天下の開催となった。開会に先立って、吉祥寺教会など数 カ所からの平和行進で歩いて会場に来られたグループの紹介があり、後藤神父様から 今こそ戦争と平和について考え、祈り、行動し、若い世代へ引き継いでいかなければ ならないとのお話しがありました。暑い日ざしも開会と同時に日が沈んで、緑の木々 の間から冷風が会場に流れてきました。

第一部ミサ(平和を願って)
 集会祈願には「正義と平和の源である神よ、・・すべてのひとが、あなたの子供とし て、平和のうちに生きることができますように」と祈り。奉納祈願では、「このささ げものをうけいれ、争い憎む世界に、和解と平和の恵みをお与え下さい」と祈りがつ づきました。
 岡田大司教様は説教の中で、最近政府高官のゆゆしい発言があったことに強い抗議 を表明され、立派な日本国憲法を大切にしていかなくてはならない。ひとりひとりは 神から命を与えられ、その基本的人権は尊重され、信教の自由は保証されなくてはな らないことを強調されたのが印象的です。
 後藤神父様も、戦争放棄と平和を誠実に希求しようとする憲法9条が、いまや見直 されようとすることにわれわれは強く反対していかなくてはならないと訴えられまし た。私たちも声を合せて、平和を叫び行動しなくてはならないと実感しております。

第二部献花・光の行列
 第二次大戦で亡くなった軍人・軍属・一般人の方々に献花し、ご冥福を祈ってアシジ の聖フランシスコ「平和の祈り」を唱え、つづいて、祭壇から移されたローソクを掲 げて光の行列が行われ、聖歌を歌いながら薄暗くなった墓苑を一周しました。結びは 「すべての国よ神をたたえ」を歌い閉祭となりましたが、お蔭様で、わたしも徴力で はありますが、行動を起こしているという充実感を味わうことが出来ました。閉会後、 暗い人込みの中で、波田野さんとぱったり出会い、帰り道に、多摩教会でも個人個人 で参加するだけでなく、他の教会のようにグループで誘い合わせ参加するようにした いものと話し合いました。来年はぜひ皆さんにお声をかけてご一緒に参加したいと思っ ています。
 最後になりましたが、この暑さの中で、設営から、式の運営、後片付けと裏方で尽 力された、当協会からの森崎さんをはじめ、各教会から集まったスタッフの皆さんに 感謝を申し述べたいと思います。有難うございました。


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