2017年3月号 No.523

発行 : 2017年3月25日
【 巻頭言:主任司祭 豊島 治 】

桜 咲きます

主任司祭 豊島 治

 現在多摩教会信徒館は外壁塗装をはじめとする修繕工事をしています。
 周囲は足場で囲まれ、復活祭までの完了にむけて朝から夕方まで作業が進められているのです。
 夜は時々多摩教会駐車場を我が家にしている白い猫たちが運動不足を解消するように作業足場をつかって上り下りする光景となります。かなり真剣です。

 外壁の工事と併せるかのように、教会の暦も四旬節にはいりました。復活祭までの四旬節の最中、洗礼志願者とともに過ごすのと同じく、愛の献金がよびかけられ、献金袋・箱、趣意書を含めたよびかけの文書がキャンペーンとして皆さんに渡されます。特に復活祭にむかう聖週間、木曜夕に教会で行われる(今年は13日19時から)「主の晩餐の夕べのミサ」奉納の式文朱書きには以下のように記され、典礼とのつながりも感じます。

 『感謝の典礼のはじめに、信者は(供え物といっしょに)貧しい人を助けるために集めたものを行列して運ぶことができる。その間「愛といつくしみのあるところ」を歌うことができる』

 この愛の献金は毎年12月の司教総会で採択され教会の皆さんにつたえられます。カリタスジャパン担当者会議において趣旨を定め、全司教の決議をもって実施されるのです。カリタスジャパンのベテラン委員さんは「昔、償いの献金といわれて長く続いている四旬節の愛の行為だよ」と教えてくださいました。私は子どものころからあのデザインの献金箱に記憶がありますが、そこまでとは知りませんでした。
 4月2日にカリタスジャパン援助部会秘書の瀬戸神父さまにいらしていただいて、具体的な四旬節の過ごし方や、カリタスジャパンについて教えてもらえる機会、そして黙想につながる講話をお願いしています。午前中聞き逃した方、確認したい方のために午後「補講」という時間を設定しています。カリタスジャパンは共催という形で協力し、他のサポートもしてくださるでしょう。ご参加ください。

 復活祭が近くなると桜の開花が期待されます。
 「桜の時期に多摩教会にいってみたくなる」と多摩教会を知っている人は、よく話してくださいます。もっとも期間限定しなくても、いらしてほしいのですが。

 多摩センター駅から歩き始めて乞田川(こったがわ)沿いの桜並木をながめて多摩教会のミサにいらしてはいかがでしょうか。聖橋までの乞田川両脇約3キロにわたり、500本以上の桜が咲き誇ります。並木道のおよその終点が多摩教会なので、いわば折り返し点として考えられます。反対側の道をつかえばミサ行きと帰り道では別の眺めが楽しめます。川面の様子もオススメです。日頃、運動不足の方は片道3キロコース所要時間約一時間の散歩となります。普段使う交通手段をかえて遠回りもいいものです。桜のつぼみを愛(め)でながら、春の喜びを祝う準備を大事にしましょう。

201703jyokai-M2017年3月20日 東京教区司祭叙階式 : 新司祭に按手する豊島神父(中央)〕

【 連載コラム 】


「荒野のオアシス教会を目指して」

やさしく、あたたかく、心からのオアシスづくり
連載コラム「スローガンの実現に向かって」第75回
「あなたのいきを」

マグダラの聖マリア 優 (ペンネーム)

 原っぱの真ん中にその教会は建っていました。教会の庭で色とりどりの玉子を探した幼い日を今でも鮮明に覚えています。
 私は小さい頃から日曜学校に通っていました。讃美歌が大好きでした。意味もよくわからずに覚えた使徒信条と主の祈りは、いつでもそらんじることができました。母からの進学祝い、夫の両親から贈られた結婚のお祝いも聖書。母も義父母もキリスト教徒でした。
 しかし、いろいろな出来事があり、私はもう二度と教会に行くことはないだろうと思っていました。

 あれから四半世紀・・・。生きる自信を失くして自暴自棄になっていた私に、友人が教会に行くことを勧めてくれました。
 桜が満開のある朝、私は友人に連れられて、初めてカトリック多摩教会を訪れました。友人は、まずマリア様の前で立ち止まり祈りました。私はとても不思議な気持ちで、その姿を見ていました。階段の上の大きな扉は開いていて、その奥のガラス扉の先にまだ人影も疎らなお御堂がありました。その日は復活祭。私はミサの始まりを待たずにお御堂を後にしました。
 それから一週間後、私は何かに導かれるように再び教会を訪れます。そして初めてカトリックの御ミサに与ったのでした。大好きだった讃美歌が一曲もない。覚えていた主の祈りも異なっていました。十字を切る人、ベールを被る女性信徒、会衆一人ひとりに渡されるご聖体。初めてのことばかりで私は大きな戸惑いの中にいました。しかし翌週もその次の週も・・・と私はいつしか教会に通うようになっていました。
 お御堂はオアシス。神様と私の二人だけの時間と対話がそこにはあります。自分自身と向き合う厳しさの中に、穏やかで心温まる時をいつも神様は与えてくださいます。祭壇の十字架とイエスさま。ひざまずいて祈る人の美しい姿。多摩教会の天井シェードの隙間から射し込む一筋の光や、ステンドグラスを通して入る柔らかい夕陽に、どれだけ心癒されたことでしょう。お御堂に響き渡る典礼聖歌は優しく私を包みこんでくれます。
 あなたのいきを おくってください
 すべてがあらたになるように

 初めてこの聖歌を歌った時は涙がとめどなく溢れました。神様は全てをあらたにしてくださる。生まれ変わって新しい自分になりたいと切に願いました。たくさんの素晴らしい出会いと励まし、お導きにより翌年、私は洗礼を授かりました。
空、光、風、木々の緑、花、水の音、私の大好きなものたち・・・。この世の全ての物をお造りになられた神様に、私は幼い頃から、そして教会から離れていた日々も賛美と感謝を捧げてきたことに改めて気づきました。

 今、神様はいつも私のそばにいてくださいます。神様に『おゆだね』することも教わりました。
 私は介護施設で歌わせていただいています。無表情だったお年寄りと目が合い、そして口元が動いた瞬間。暗く沈んだ顔に笑みがこぼれる瞬間。私の歌に涙する人に出会えた瞬間。『ありがとう』の言葉。こんな素晴らしい一瞬を神様は何度も示してくださいます。
 歌を通して神様のみ旨にかなう人となれますように。
 神に感謝。

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     〔写真はご本人提供〕

【 お知らせ 】


「初金家族の会」からのお知らせ

 春まだ浅い3月3日初金の日、豊島神父様は、3月1日の灰の水曜日に因んでの教訓として、本当の意味の断食とは今日のイザヤの預言にあるように、「つぐないの断食を苦行としてでなく、愛のために、愛の行いとして行うこと、それが主の悲しみ、主の苦しみをわが身に受け止めることになるのです」と話されました。

 続いての初金家族の会では、「現代に生きる私たちにとって、殉教とは・・・」という奥の深いテーマでのわかちあいをしました。中嶋 誠さんがキリシタン時代の西欧社会の信仰、思想の背景、宣教、布教の歴史の概要、国内外の様々な立場の人たちの心の葛藤、日本では圧政の下、多くの庶民が真剣に天国での救いを求めていた事実の数々などについて話され、参加者からも様々な感想をはじめ、話題の遠藤周作原作の映画「沈黙」の感想あれこれも出ました。

 豊島神父様は、「時代は移り変わっています。往年の、搾取され、極端な貧困にあえいでいた時代の人たちの姿に思いを馳せ、神様、私を今、この時、悲しみ、苦しみから救ってください、栄光を現してくださいという願いを学び、信仰を守り抜いてきたことで命を捧げた人たち、異なる道で信仰を後世に伝えた人たちすべては神様の慈しみの温かいみ手にあることを信じましょう」と話され、50人近くの参加者それぞれに様々な思いが深く心に残るひとときでした。

 次回、4月7日(金)、花や緑の季節の初金家族の会では、一品持ち寄りの楽しいお鍋を囲んで皆さんで歓談しましょう。午前11時前から会場は信徒館です。
 どうぞお気軽にご参加ください。