神に感謝(受洗者記念文集)

国広 星児(仮名)

 宗教を信じない自分が、まさかキリスト教に入信するとは思ってもいませんでした。でも、こうして洗礼を受けるまでのプロセスが神の御業(みわざ)だと感銘しました。

 昔から自分の力ではどうしても解決できない問題を抱えていて、毎日を憂うつな気分で過ごしていたら、本屋で晴佐久神父の「十字を切る」に出会いました。この本を読んでとても心に響くものがあって、当時絶望だらけの自分にわずかに希望を見出すことができました。
 また、この本をきっかけにキリスト教に興味を持ち、カトリック多摩教会へ行きたいと思い、電話をしたら12月24日のクリスマスイブに来てくれと神父に言われ、これもなにかのご縁(神の導き)だったのかもしれません。

 教会は怖い場所で、下手なことを言ったらポアされるのではないかと、恐る恐る訪ねました。
 実際に来てみたら、そんなのは杞憂(きゆう)であって、教会の皆さんが温かく親切に迎えてくれて、本当の家族のように接してくれました。それからも毎週教会へ通うようになり、来るたびに泊まり、食事し、同世代の仲間と遊んでいたら、カトリック多摩教会の「与太者」とまで呼ばれるようになりました。

 こんな「与太者」と呼ばれている自分ですが、洗礼式で額に水をかけられた瞬間に何かが変わり、本当に生まれ変わった気分です。
 この日を人生のターニングポイントにして、自分の中の問題を解決していきたいです。

 これからも多摩教会へ通いたいのですが、残念ながら仕事の都合で遠くに引っ越すことになりました。
 この教会にいたのは3カ月間の短い期間でしたけれど、晴佐久神父、与太者たち、教会の皆さんの絆をこれからも大切にしていきたいです。
 また、皆さんに出会わせてくれた神に感謝。