投稿1:野田町教会での聖母像祝別式

野田町教会での聖母像祝別式に参加して

笹田 彩子

 5月27日、聖霊降臨のお祝い日に福島県の野田町教会に聖母像を祝別するために晴佐久神父様と多摩教会から13名の信徒が訪れました。
 新幹線で東京駅から福島へ降り立った時、朝日に照らされたビル群、爽やかな五月の空気と駅ビルのお店も様々に、車もタクシーも行き交う街は一見すると傷ついた被災地の印象は受けない活気ある様子でした。
 すぐ近くの教会に着くと満面の笑顔の信者さんたちが迎えて下さり、お御堂に入ると平屋の木造で和風の静かな懐かしい感じの造りで、毛筆で書かれた聖句が掲げられていたのも記憶にあります。簡素だけど優しい穏やかな空間で御ミサが始まりました。
 私たち多摩のメンバーは、1カ所に固まらず、野田町教会の方に混じってバラバラに散って座り、それからリードオルガン風の緩やかな前奏が流れ出しました。歌われた典礼聖歌の中で「聖霊の続唱」が綺麗で言葉が染みるようでした。今日、聖霊降臨の日に野田町教会の方たちと私たちの声が一緒になって、ひとつになって歌い、祈るのを天から神さまがお聴きになって、きっとほほ笑まれているなと思いました。
 新しく野田町教会にやって来たマリア様とヨセフ様は、幕を除いた時には最初、生真面目そうに、真正面を向いていらしたのですが、トマス神父様が「皆さんの意見を聞いてご像の向きを決めて固定したい」とおっしゃり、祭壇を挟みマリア様とヨセフ様が少し互いに向き合うような角度で会衆のほうを向いているようになさいました。それが、少し角度が違うだけで、お二方が仲良く愛のうちに見守られているような暖かい感じになったのが 不思議だと思いました。
 御ミサの後、たくさんの手作りのご馳走を一緒に頂きました。晴佐久神父様の銀祝ケーキまであり、突然のことに皆びっくり、大喜びでした。
 私は、子どもたち数人とお母様のいるテーブルでしたが、「この子たちはみんな、『教会に行くよ!』と声をかけると喜んで飛び出して来るんですよ」とお母様から伺いました。ここがみんなの居場所なのね、この教会が好きなんだねとケーキをほおばる子どもたちと話しながら、ほっとしました。一日も早く福島の子どもたちが安心して伸び伸び外で遊べる日が来ますように。不安な時、心配な時もいつもイエス様が一緒にいてくださいますように。
 原発のいらない世の中に、 一人ひとりが命を守るために賢い判断ができますように。

野田町教会聖母子像祝福

◆フォトアルバムで、野田町教会訪問の様子をご覧いただくことができます。ぜひこちらをご覧ください。