2011年12月号 No.460

発行 : 2011年12月17日

【 巻頭言:主任司祭 晴佐久 昌英 神父 】


福音の村

主任司祭 晴佐久 昌英神父

  晴佐久神父の説教を掲載するホームページ「福音の村」が、開設されました。すでに待降節第一主日の説教から載っていますので、ぜひ開いてみてください。
これは原則として、晴佐久神父の多摩教会の主日ミサでの説教を信徒有志が録音してテープ起こししたものを、晴佐久神父が校正し、もう一度有志が最終チェックして掲載するものです。説教というものは特定の共同体内の特定の信徒に向けて語られるものですから、昨晩だれそれさんが亡くなったとか、個人名等が出てくる場合もありますので、個人情報の保護には十分配慮して、少しでも問題がありそうな場合は校正の段階で削除したり、匿名にするなどしていくつもりです。

  私の説教に関するこのようなホームページは、初めてのことではありません。ちょうど10年前にお隣の高幡教会にいたときに、熱心な信徒のチームが「福音の森」というホームページを立ち上げて毎週の説教を載せていたことがありました。これは高円寺教会に転任してからも続きましたが、4年前に半年間日本を離れたときをきっかけに中止しました。正直言って毎週の校正は大変でしたし、そもそも私のような原稿・メモの一切ないひらめき系の説教が全世界に流れることについての気後れもあったので、中止したときは残念な思いと同時に、少しホッとしたものです。
そんなこともあったので、数ヶ月前、あのころと全く同じような熱心な信徒チームが多摩教会にも自然発生して、あのころと全く同じような説教ホームページを作りたいと言い出したときは「やっぱりきたか・・・」という逃げ腰な気持ちになってしまい、簡単には「はいどうぞ」と言えませんでした。
しかし、すでに説教集を4冊も出しておいてなにをいまさらの感もありますし、来春からはラジオでも放送するとかですでに局が録音に来ていますし、なによりも福音を語れ、語れと人には言っておきながら、自分が臆しているのでは筋が通りません。このようなホームページを待ち望んでいる大勢の人がいるのは事実ですし、このたび、「福音の村」の村人たちの福音に対する情熱に後押しされて、お応えすることにしたという次第です。

  やるからには、ちゃんとやりたい。今回、今までと違う点のひとつは、たぶん説教をアップするスピードでしょう。なにしろ、日曜日の説教のテープ起こしをしたものが、当日の夜には私のところに届いているのです。その熱意に応えるべくこちらもすぐに校正にかかるので、早ければ水曜、木曜あたりにはできあがって配信されるというわけです。その週の福音の説教をその週のうちに読めるということで、そうなると何かと便利なこともあります。それも含めて、福音の村の上手な使い方を3つにまとめてみました。

  1:復習 話というものは聞いているようで聞いていないものですし、聞いてもすぐに忘れてしまいます。もう一度確かめることで、いっそう理解が深まります。また、校正してある文章で読むととてもわかりやすく、聞いたときとは違った発見もあります。福音にはさまざまな側面がありますから、そのときはあまり必要ない内容でも、ずっと後になって必要となったとき、確認することができます。

  2:予習 事情があってミサにあずかれないとき、その週の説教を読むことができます。典礼の暦には流れがあるので、欠かさず読むことはその流れに加わることができますし、それは次週以降の準備にもなります。特にこの神父の説教は「先週お話したベテルギウスの方角に・・」などと、連続物になっていることがありますので、油断できません。毎週のチェックをお勧めします。

  3:宣教 いうまでもありません。だれかにこのホームページを勧めること、イコール福音宣教です。ブログやメールで、こんなページがあるよ、おもしろいよと、どんどん流してください。特にこの話はあの人に聞かせたいという時で、相手がパソコンを使わない場合は、プリントアウトして送るという方法があります。以前は、毎週プリントアウトして、コピーして配っている人もいました。

  実際にこのホームページを開く方はほとんど多摩教会には来られない方です。自宅から出られない方、入院中の方、海外で日本語の説教を聞けない方、耳の不自由な方、そしてなによりも、今苦しんでいて、必死に福音を求めている方。ぜひ、「福音の村」という天国の入り口を教えてあげてください。あなたに教えられて魂が救われたという人が、必ず現れるでしょう。このホームページを支える「村人」たちも募集しています。アドレス等、詳しくは「福音の村」のご案内をお読みください。

【 連載コラム 】


連載コラム「スローガンの実現に向かって」第18回

≪多摩教会と私≫

松本 和子

  1967年、都内より引越してきた頃の聖蹟桜ヶ丘駅は踏切を渡って電車に乗る小さな駅でした。さて教会は何処が近いかしらと解らず、今まで通り上野毛教会に通って居りましたところ、北村氏、故八巻氏、今は転出された武井氏等の方々がご奔走下さり多摩の信徒百数十名に声をかけて下さり、聖蹟記念館の境内に集まり、白柳大司教様、寺西神父様そして多勢の神父様方もご参列下さって盛大なミサが行われました。
 聖母被昇天大祝日、そして多摩教会誕生のためでした。こうして多摩教会は建物はまだ無いながらスタートしたのです。「荒野に旅する教会」は多摩の各地区を毎週、回って下さいました。そして降誕祭、復活祭、被昇天祭等の大祝日は農協ホールを借りました。だんだん人数が殖え、一間の家、マンション2間の教会、マンション2室の教会、と旅する教会はだんだんと広くなってきました。そのために皆で積立貯金、教会債券の発行とコツコツ努力してきました。でも、時には皆で高尾山に行ったり、尾瀬沼、至仏山登りなど楽しい思い出もあります。
そして旅は続き、「聖ケ丘」の現在地に辿り着きました。私はここ、オアシスに着いてホッとしました。仮聖堂が建ち、軽食を各地区交替で作るのもお仲間と和気あいあい楽しく作りました。いよいよ聖堂工事、そして大聖年の2000年に献堂式。
宮下神父様にはお世話さまになりました。ご招待状を皆で書いて。当日は快晴の日で白柳大司教様はじめ聖職者の方々、お世話になった関係者の皆様方がお忙しい中を集まって下さり、盛大な献堂式、5月14日でした。階段一杯に並んで撮った記念写真の一同の明るい晴やかな笑顔。友人達と並んだ私も嬉しそうな顔で撮れて居ます。
コツコツと努力の旅、今は落着きました。当然の事ながら私は老婆となりヨタヨタと歩んで日曜日、有難くミサに与かり友人との語らいを楽しむだけで、何もお手伝いも出来ず、オアシスの広場でどんどん成長する可愛いい子供さん達を眺めたり、きびきびした若い方々を頼もしく眺めて居ります。    
心より神に感謝。

【 「福音の村」ご案内 】


「福音の村」のご案内

松原 睦(広報)

  晴佐久神父様の主日ミサの説教を「福音の村」と名付けてホームページで見ることが出来るようになりました。そのURLは: http://www.fukuinnomura.com/ です。「福音の村」と検索していただければ、見ることが出来ます。
この「福音の村」の前身は高幡教会、高円寺教会で「福音の森」として長く皆さんに親しまれたホームページです。晴佐久神父様が多摩教会へ赴任されましたので、「福音の森」の継続をお尋ねしたところ、しばらくお休みにしたいとのことでした。
 しかし、多摩教会の熱心な方が、多摩教会でも作りたいと神父様に強くお願いしたこともあり、この度、神父様の負担が大きくならないよう工夫して、教会活動としてではなく、一部の有志によるホームページならよかろうとのお許しがありました。録音、テープおこし、神父様の校正、HP掲載などのスタッフと一連の作業の流れができあがりました。
 教会活動としてではなく、自主的な運営なので、プロバイダー契約や維持費に費用が必要です。そこで有志による「福音の村」村人を募集することにいたしました。年会費1口1,000円です。ぜひご参加くださいますようお願いいたします。
 教会に来ることが出来ず、晴佐久神父様の説教を聞くことの出来ない方に、一人でも多く神父様の説教が伝わりますように、一人でも多くの人に福音が伝わりますように、このホームページが広く活用されることを願っています。
 「福音の村」を親しい方々に宣伝していただくようお願い致します。また「福音の村」についてのお問い合わせ、村人参加申し込み、またお気づきの点があればどんなことでもスタッフの小野原、片山、後藤、松原にお知らせ願います。