3月6日は今年の灰の水曜日となっています。復活祭までおよそ40日を逆算したこの期間を四旬節としています。
フランシスコ教皇様は今年の四旬節メッセージのなかで、人間と被造物との関係を見直すことをはじめに訴えられています。時間の経過が早いのか、それとも情報が多いのか、私たちは一つひとつのことを丁寧に考えて過ごすことが難しくなっています。そんな中で教皇様は今年も、断食と祈りと施しをもって復活祭の準備をするよう呼びかけておられます。
そして、断食・祈り・施しについて具体的な実践の心構えを記されています。エントランスに置いておきますので、どうぞお読み下さい。後日、中央協議会のホームページにも掲載されると思います。
灰の水曜日というと、平日でもあって日本ではあまり認識する機会が少ないのが現状のようですが、昔、ポーランドの方と一緒に灰の水曜日を迎えたときのことが思い出されます。それは、私の今までの感覚にとっては、新鮮な出来事として記憶に残っています。
すべてのポーランドの人がそうであるとはいえませんが、彼らはしっかり灰の水曜日の生活を、自然に過ごしていました。まず、灰の水曜日は徹底的に食事を控えます。彼は重機を動かす仕事のため、集中力維持のために1回の食事はしっかりいただき、ただ肉類は食べません。そしてミサに行きます。
ただ、灰の水曜の前の週の木曜日に、彼はふるさとの家族から航空便で届いたドーナツをどっさりテーブルに置いて、勢いよく食べていました。これが彼らの昔からの風習で、四旬節の始まる前の木曜に食べる「ポンチュキ」とよばれる、ドーナツのような、油で揚げたお菓子です。私の翻訳が正しければ、彼らはこの木曜日のことを、「脂の木曜日」と呼んでいました。彼らは、「木曜=キリストの晩餐→食事を祝う」「金曜日=キリストの受難→節制と苦しみを共感する」「日曜日=主の復活→祝い」という曜日感覚が生活のなかに入っていて、木曜日は質素ながらもしっかり食事を楽しんでいることが多かったのです。
日本のある幼稚園では、四旬節中、週1回金曜日の昼食を、「おにぎり弁当の日」としているところがあるそうです。いつもはお弁当箱を
ご存じのとおり、子どもたち、高齢の方、病気、妊娠など、健康上の理由などから通常の食事をとることが勧められるのはいうまでもありません。また、断食ということばで、近年のダイエットのための断食や食事制限と、四旬節の勧めとは同じではありません。ダイエットや健康管理は自分のためにするものです。共に生きる人類の仲間を想うところから、この世界を見ていく必要があるというのが視点です。四旬節メッセージの断食についての文書もお読み下さい。規定されているのは、灰の水曜日(今年は3月6日)と聖金曜日(今年は4月19日)です。
「地のすべての獣と空のすべての鳥は、地を這うすべてのものと海のすべての魚と共に、あなたたちの前に恐れおののき、あなたたちの手にゆだねられる。動いている命あるものは、すべてあなたたちの食糧とするがよい。わたしは これらすべてのものを、青草と同じようにあなたたちに与える。」(創世記9.2-3)
ノアの箱船で上陸後、神のことばに忠実であった彼らに対しての宣言で、被造物である動物を食べることを許されています。いのちの重さを忘れないように、味だけでなく、いのちの重さを考えましょう。
このようなことから、「施し」である「愛のみ
灰の水曜日、当日のミサは日曜主日のミサとあまり大差ないように見えますが、聖歌の曲調も異なります。「あなたはちりであり、ちりに帰って行くのです」「回心して福音を信じなさい」という呼びかけで一人ひとりが灰を受けるとき(会衆全員、受けられます)、いつもと違う気持ちがでてくるのでしょう。典礼委員会で呼びかけがあるかと思いますが、水曜日外出で多摩教会10時ミサに赴くことができれなければ、参加できる他の教会で灰を受けることを検討しましょう。多摩教会では翌日曜の四旬節第一主日での灰の式は行われないのでご注意下さい。
これがポンチュキ。砂糖をまぶした揚げパンで、ジャム入り