春の穏やかさは終わり、気温の変動を気にしながら過ごす時季となりました。
そんな気候でも、あいかわらず多摩教会には毎日夕刻から一匹のネコが訪れ、午後教会に居る人の注目を浴びています。
名前は未だ無いそのネコはニュータウン通りを行き交う車の数がすくなくなるころ、トヨペット販売店さんのほうから斜め横断し、橋を渡り、ちゃんと正面から入られます。教会の扉が開いていても入ることはしないで、構内で自由にすごしています。
動物写真の岩合光昭さんが残したメッセージで『ネコが幸せになれば、人も幸せになり、地球も幸せになる』というのがあるそうです。たいがいの家畜は紐でつながれてきた歴史がありますが、そうではなく唯一といっていいくらい自由で人の思い通りにならず過ごしてきた。それゆえネコには衰えてない野生の勘があり、人よりも環境に敏感であること。自然に対して畏怖という感覚がうすくなりがちな人間が利益主義に没頭していることに対し警鐘をならしているという意味があるそうです。
教会の暦は、復活節も聖霊降臨の祝いで結ばれ、年間の典礼をすごしています。
復活徹夜祭で洗礼式、聖霊降臨で堅信式、キリストの聖体の日に初聖体式と入信の秘跡に関わったこの期間、神さまがおつくりになったこの世界を正しく誠実に味わっているか。恵みとして感謝し、それを伝えるために奉仕していく使命を遂行できているかを年間の典礼でみていきましょう。
今は空前のネコブームといわれます。「ネコ・カフェ」なるものも存在し、ネコに引っ掻かれた跡を見せ合いながら、魅力を楽しんでいる利用者が映像で時々紹介されています。
しかし、ブームの流れでみるのではなく、被造物が共存し合う共同体とはどうなのか、神さまのまなざし、いのちのまなざしについての学びをもって、エコロジーな視点で夏を過ごしてはいかがでしょうか。