対応します

対応します

主任司祭 豊島 治

 皆さま、2021年もよろしくお願い申し上げます。
 緊張が続く毎日でお疲れではありませんか? そのときは情報を取り込むのを抑えて、じっくり深呼吸と背伸びをしましょう。恐怖は縮こまってしまう傾向にもっていきます。
 今年の生き方の方向性を確認しましょう。困ったときは神に。苦しい時は神に。迷ったときは神に。向きをかえていきましょう。
 私も多摩教会6年目を迎えるのですが、前任の神父様が残してくださったメモ、一つは2017年4月号ニューズ巻頭言に載せていますが、もう一枚見つけました。内容はこれです。

 いつまでも死なないかのように生きる
 同時に今の行いは最後であるという気持ちで生きる
 Vivere come se non dovessimo mai morire e come se questa fosse I’ultima mia azione.

 6年前、この一文に出会ってはいましたが、実感がわかないでいました。でも病気の恐怖、その先の死への想いをこえた生き抜く力を、私は最近ここから頂いています。このように、時よって、文字での伝達は力になり得ます。
 多摩カトリックニューズもしばらく休刊がつづきました。感染防止のこともありましたし、高齢の方や体調不安の方が人込みにいるリスクを懸念したのです。
 また、その世代ではない方は、刻々とかわる社会状況に教区&教会の対応協力を余儀なくされてきましたから、メインの委員の方もしんどかったと思います。ありがとうございます。そしてその方々のご家族、周囲の方にも感謝申し上げます。

●2021年多摩教会は2つの柱
 さて、この2021年ですが、二つのポイントを挙げて進めていくことと考え、年末の司牧評議会でお伝えしました。具体的には今後説明していきます。残念ながら2021年は「ミサをささげること」がメインになっていくでしょう。少なくとも2021年は以前のような活動は無理と考えます。多少工夫していくとしても、それは「新しい様式(ニューノーマル)」となって未来に続いていくでしょう。だから元に戻りたいという拘(こだわ)りはかえって自分を苦しめてしまうと言えるのかもしれません。これは私への自戒の意味をもっています。
 そして、運営体制です。
●万全の体制で2021年から先のミサを
 2020年は、工事のための時間をいただきました。コロナの影響を受ける前は雨漏りと外壁・教会電子部品の交換という内容でしたが、工事期間とコロナ感染防止対策指針と時期が重なったため、併せて施工しました。
 第一に換気のことです。教会の天窓をいままで固定して開かないようにしていましたが、ワイヤーの交換も施工して開くようにしました。暖房使用時には、後ろから前の天窓に気流が流れます。冷房時は上から冷たい風が聖堂脇の下の窓に流れるようになりました。両脇の天井は凹みがありますが、その分の空気は換気扇を据えています。加えて換気の目安としてモニター計を設置しています。一番厳格な基準で設定し換気量を増やす必要があるときは、さらにアラームが鳴ります。その際は、さらに天窓を開けることになります。
 もちろん個々のマスク着用をはじめ、接触・飛沫感染防止の行動にご協力ください。
=ミサにいらっしゃる方は=
 現在は、信徒館側の階段から聖堂に向かってください。
 ① 聖堂エレベーター横に手洗場を新設しました。冬でも人肌ほどの温水がでます。きっちり洗ってください。ハンカチは持参してください。良く拭き取ります。
 ② 同時に検温です。37.5度以上の方は申し訳ありませんが、聖堂に入ることはかないません。
 ③ 聖堂には参加票があり、記入登録していただきます。ペンはアルコール洗浄してあります。自分でボールペンを持参いただくと安全性が上がります。
 ④ ミサの流れ、案内は正面や側面にあるモニターで表示します。先唱は休止です。
 先唱をすると、空調の音でマイク音量を上げることになりますが、窓をあけていますので近隣への配慮が必要になります。(窓を開けての祈りの声が聞こえる件は、近隣の方に伝達はしています)
 案内係は長時間近くには同伴できませんし、プリントの再利用は厳禁となっていますので極力このような機能を使います。視力に自信のない方で案内が必要な方はモニター近くのシートをお選びください。
 ※①、②は大人数の場合、信徒館で行うことがあります。①~④は教区指針に従っての施行です。
 このことにより以下のことが変わっています。
その1 : トイレ個室化
 トイレは全て個室にしています。それぞれに洗剤液を備えているのでペーパに吹きつけて使用することで、利用者自身で衛生状態を向上できます。ドアの表示は絵文字なので、様式は想像できます。
 足腰に負担を持つ方や車椅子でも入れるトイレが新設されています。子育ての方の支援のためにチャイルドシートとおむつ換え台も備えています。スイッチは個々で操作してください。出た後は水場を個室外につくっていますので必ず手指洗浄をお願いします。
その2 : エントランスの様子
 今まで、世帯ごとの棚がありましたが、密集を避けるためと、接触による感染予防から棚を撤去し、その空間を車椅子通路と身障者トイレのために利用しました。
 2021年は少なくとも感染防止対策を講じた運営があるので、多摩カトリックニューズは手渡しか郵送となるでしょう。今後検討していきましょう。
 献金封筒も現金を触ることは避けたいと係の方から言われています。月定、建設など教会維持に関わる献金は引き続き、振り込みをお願いします。どうしても都合で現金の方は別の封筒を用意していますので、お申し出ください。
 ミサ献金について加えて申しますと、ミサ終了後、帰り道に献金カゴがあります。この時世なので当然ですが、ミサ献金が減少しています。ミサに与ることができたという感謝の献金です。この意向でお願いします。
 棚があったところに特大ホワイトボードがかかり、講座のときやお知らせに使われます。換気しながらの暖房方法として、遠赤外線ストーブで対応します。
その3 :講座や経済問題評議会のオンライン化
 現在「講座(以前は入門講座と呼んでいました)」と「経済問題評議会」「宣教協力体会議」は、オンラインで行っています。また今後、教会学校もオンラインと対面の併用となるでしょう。

●大司教宣教司牧指針がでたことによる多摩教会の体制づくり
 先月クリスマスに、菊地功東京大司教は自身の方針である「東京教区宣教司牧指針」を発表されました。東京教区の方針といえます。多摩教会信徒の皆様には印刷したものを発送しますのでお読み下さい。これは多摩教会の方針としても合致しなければなりません。今回の指針には、
 A. 宣教する教会
 B. 交わりの共同体を目指して
 C. すべてのいのちを大切にする共同体をめざして

 の三つの柱が記されています。多摩教会の諸活動や部、委員もこの区分けにしたがって、教区の指針や通達を受け止めることになるでしょう。グループ分けをさせていただきます。教区の方針とピントを合わせ、それぞれのグループで纏めて意思疎通をよいものにし、2021年を過ごしましょう。
 コロナ下で全ての活動が出来る状況ではありません。そして全ての方が一同に集まることも不可能です。ゆえにこの部署の代表の方を主任司祭が任命し、評議会を運営していくことになります。
●それぞれの場で協力できることを
 工事については教会の土地造成の割れ目があり、近所からも指摘されています。園芸についても屋上庭園の防水がバクテリアによって破られており、補修、入れ替えを行います。また、ネット配線も老朽化です。今の多摩教会の工事は資格の必要な工事は業者ですが、DIYできるところは営繕に協力して自前で行っています。多摩教会を希望のシンボルとして輝き続けるための今できることをやるまでです。
 建物への献金先は 三菱UFJ銀行多摩支店 普通口座1228567です。
 加えてacc@tamacatholic.jpにお名前と献金内容を入れて下さい。

2020年「多摩カトリックニューズ」バックナンバー

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2020年

9~12月号

休  刊

8月号
(No.562)

2020. 8.29

邁進しています豊島治神父

7月号

休  刊

6月号
(No.561)

2020. 6.27

前向きでやってます豊島治神父
カルペンティール神父様への感謝関戸・一ノ宮地区
井上信一

5月号

休  刊

4月号
(No.560)

2020. 4.29

教会は機能しています豊島治神父

3月号
(No.559)

2020. 3.21

「0(ゼロ)」でいます豊島治神父

2月号
(No.558)

2020. 2.15

正しく学びます豊島治神父
田村一男さん さよなら鶴牧地区
北村司郎

1月号
(No.557)
2020. 1.18

来ます豊島治神父
ひとしずく稲城・川崎地区
松澤郁子
「初金家族の会」からのお知らせ島田潤一

(その他の年度は こちら からご覧ください)

邁進しています

邁進しています

主任司祭 豊島 治

(この原稿は入稿締め切りの3時間前、午前5時8分作成されています。基づく情報はその時点のものです)

■お疲れは祈りをもって神さまへ
 ウイルスの影響で社会生活が変わって半年ちかく。国の総理大臣も持病の悪化で辞意を表すほどです。「なにをしたらいいか」「対処法はなにか」がわからないまま過ごすというのはなにかしら疲れをもたらします。運動しましょう。家の中でも筋肉が増える運動がありま。NHKでみることができます。そして祈りましょう。今の心情を祈りに加えて神さまにささげましょう。神さまの恵みは一日一日新たにされていきます。
■教会のうごき
(ミサについて)
 ミサはご存じのように大司教さまからの年齢制限&地区割での時間制限を守りながら仮聖堂にておこなわれています。制限でミサに赴くことがかなわない方々を思いながら祈りを行っています。
 参加される方には特設の水場が設けられていますので入堂前に手洗いをお願いしています。歌を控えるようにとの通達なので、「唱えるミサ」となっています。答唱詩編もアレルヤ唱も拝領も唱えています。
 今後は唱えるミサの祈りのバリエーションも実践します。奉納のあとの奉献文もミサ典礼書には数種類の祈りがあります。また仮聖堂でのミサ開始からインターネット中継の試行も行われています。試行の結果ですが教会周辺はテレワークをしている方々が増えたようで、ミサの時間、インターネット接続が不安定です。これからは夏休みも終わり学校が再開されている時期ですので、もしかしたら安定するかもしれません。そうなれば次の段階にいけます。
 また、制限の対象の方に秘蹟との交わりの場を考えるよう大司教様からいただいています。このことについて工事が二期工事まで全て終わり安全状態が確認されてからとさせてください。

(予定していた行事について)
 2020年も後半に入って2カ月。私個人は年内の原状回復は難しいと考えています。以下のように考えていますが、評議会で斬新な考えがでてきて実践できるかもしれません。あくまでも考えとして受け止めください。なお、評議会で検討した結果の告知は9月中旬に皆様に送られる郵送物に同封いたします

9月
【平神父様銀祝】 平神父様は今年叙階25年を迎えられました。すでに年初にお祝いをお渡していますが、霊的花束は時期を見て募ることにしたいと考えます。
【シニアの集い】 連絡会の議事録にありますが、今年は記念品の発送をもって気持ちをお伝えしたいと思います。記念品は既成のものではありません。オリジナルです。
【教会委員長選挙】 行事ではありませんが、今年予定していた選挙は行いません。詳しくは次回の評議会を経てお伝えします。

10月
【バザー】 例年の食品の販売、密集した場での飲食はソーシャルディスタンスを考え不可能と考えます。カトリック修道会系の物品が出店意向をだされていますので可能かどうか工事スケジュールみての安全確認をして決断したいとおもっています。

11月
【七五三】 子供の祝福として大事な機会ですが、11月の状況が予測できません。すでに祝福カードの制作を始めていますが。できれば当事者限定の集いもしたいところですが慎重にならざるを得ません。
【墓参】 従来のバスツアーは中止します。8月の盆時期にに主任司祭が一人で祈りにいったように、死者の月についても墓参は個別に行いたいとおもっています。教区主催も中止の連絡がきました。
【死者の祈念ミサ】 どのような形で申込み・ミサ挙行ができるか検討中です。

12月
【待降節行事】 いままで「祈りと聖劇の夕べ」と題していた行事は中止とします。代わりの祝いを表現することを考え中です。

2021年1月
【賀詞交換会】 準備のこと、飲食のこと、時期のことを考えると中止になると考えます。

(教会学校・講座について)
 教会学校については調布教会と連携し教会が作成しているYouTube教材と副教材「こじか」をもっていたします。例年9月~12月は聖劇の準備のためいわゆる勉強は自習となっていましたが聖劇は中止になりますので、二学期はこの2つをもって始め、状況を見守ります。
 聖書講座については今までの様な形式は年内は中止します。代わりに配布する「ミサに出席できない間の過ごし 祈りと聖書の黙想」冊子をもって学びとします。
 入門講座については入門係と打合せをしますが、基礎疾患のある方への対応方法や年齢のこともあり、どのような形でできるかを最終確認してから公示します。

(教会の運営について)
 上記の予定を教区通達を踏まえてどうするかを検討し、また年度末を迎えるにあたり教区指針の確認プロセスを遂行する必要のため、評議会委員長の指示のもと司牧評議会を再開しました。しかし教会活動中止や制限の教区本部令により今まで通りに地区委員・活動会すべてを同じフロアに集めることはできません。
 そこで7月、「聖堂共同体規約運用にあたってのガイドライン」を適切に改定し、評議会に参加出来る代表を経済問題評議会委員代表、典礼代表、営繕代表、教会家族委員会代表としました。いずれも現在感染防止に注意しながら活動している部です。評議会副委員長の参加については評議会委員長の判断に任せます。また総務・受付・広報については主任司祭と評議会委員長が現状を集約し提示した範囲で活動するものとします。
 このことによって教区・教会規約に定められている運営指針どおりに進めることができます。

(信徒への連絡について)
 この状況下多摩教会信徒の皆さんへは以下の方法で連絡しています
① 封筒に関係文書をいれて送付しています。これを私は個人的に『大発送』といっています。その名のとおり労力も含めかかるものが甚大です。頻繁にできることではありません。直近は9月ですが、現在の状況が続くなら次回大発送は1月ごろと考えています。
② ブログで毎日教会のことを綴っています「多摩教会入門」で検索ください。
③ 各主日のミサで配布される「ミサの手引き書」に式文だけでなく週間報告・予定を掲載。ローカルな内容もいれています。金曜午後から日曜13時まで教会前でいれています。ブログでも表記出来る範囲で(個人名削除して)掲載できるようにします。

■感謝申し上げます
 先の私の霊的花束への参加にありがとうございます。15年できたのは皆様のおかげです。

前向きでやってます

前向きでやってます

主任司祭 豊島 治

(この原稿は入稿締め切り1時間前の6月27午前7時32分に書いています。掲載されている情報はその時点でのものです)

 四旬節から復活節に至る長い自粛期間を経て、制限をもってミサを一部公開で行うことの通達がでました。ただ、感染には波があるとも指摘され、完全に終息したわけではありませんから、未だ安全宣言が出ていないしばらくの間、ミサを捧げることの制約を守るための犠牲は継続しています。
 いのちを守るためとはいえ、普段の活動が制限され、自粛ばかりを求められていると、どうしても思考が内向きになってしまいます。内向きになった思いは、自分の心の世界を中心に展開しますから、ともすればとても利己的になり、さらには、普段であれば心の奥底に秘めているような思いや、常識が盾となって表に出さない感情までもあらわにしてしまうということは、大司教様もおっしゃっています。このストレスのはけ口を、大変な立場にいる人に向けてはいけません。じっくり神さまの計らいはどのような形を私に示して下さるのか、神さまの時間の使い方に思いを合わせていきたいと思います。

【ミサについて】
 他の小教区の情報を見てみますと、ある教会では、6月21日のミサは〇〇地区の人、29日は〇〇地区の人と地区ごとにして、ミサにあずかれるのは月に1、2回としています。奉仕者の手配もあるので各々小教区教会の状況はあるでしょう。
 でも私は、来られる人は毎週ミサをモットーに、委員の方に今回設定をお願いました。ミサに参加できる人は、ミサに赴けない人の思いも背負いながら、ミサの祈りをせねばなりません。郵送されているミサ案内を参照下さい。
 通達に、ミサに来ることのできる年齢制限がありますが、これは「いのちをまもる」、つまり「ミサに行きたい」という衝動を祈りにかえて、「私のいのち、神さまが与えてくれた私のいのち、神さまは私に、今どのような期待をなさっているのか、何ができるのか」について黙想することができるチャンスと考えて過ごしていただければと思います。(注:実際、およそ90歳の母にもそう言いました→怪訝な顔をされました→親子の間での福音宣教は難しいと感じることがあります。でもせねば。)
【インターネットに頼らざるを得ない状況、でも、、、、雑言も捨てきれない】
 コロナ感染症対策で脚光を浴びたのが、インターネットを使った対応です。日曜10時の大司教司式ミサ、14時頃の教皇ミサ、他の教区、教会でも実施され、居ながら多様なミサをそれで「閲覧」できる状態となりました。でもちょっと疲れたという声も聞こえてきます。「つまらない」という感情は、人との心の距離感から発せられるものですから、実況中継では補えません。
 Zoomやスカイプというインターネットから出る機能を使って会議を実施することが多くなりました。教会でも委員会や飲み会など、そうやって代わりに行うことも考えられたでしょう。でも「雑音」も大切です。インターネットを使った交流方法については、従来の会議室でのやり方と気持ちを切り替えなければなりません。機械を使った方法は、物理的距離を乗り越えて聞くには便利ですが、マイクの使い方にたけている人、声が大きい人、意志をもって発言したい人に、その場の流れが持っていかれることがあります。会議で起こる「雑音」「ひそひそ話」も実は重要で、思いもかけない呟きが、場を良い方向に持っていくことがよくあるからです。司会をする人のオンライン用トレーニングも必要です。私はしばらくそれらのツールは公的には使用せず、オンラインのミーティングのよい在り方を考えたいと思っています。
【多摩教会の運営について】
 多摩教会の組織運営は、数年前改訂された規約によって運営されていました。その規約の定着完了前に、この感染症がはやりました。この規約には、「ミサ公開中止」「会合の時間制限、年齢制限」の場合の対応案件は入っていません。基となる教会法典も、ほぼ記載がないのです。また、教区からくる通達もおよそ1週間単位で、月1回の司牧評議会スケジュールでは対応できなくなっています。そして、参加者の年齢制限、集会ごとに名簿を作って対応する作業や保管、会場の換気も限界があります。
 そこで、司牧評議会にあたる機能は、しばらく司牧評議会委員長による任命者での構成で行います。活動については、運営にあたる典礼、会計(集計は休み)、総務、営繕、受付、掃除のみです。さらに、今後の感染症による特別対応のため、教会家族委員会も機能し始める予定です(詳しくは後日)。
【祈りに頼りましょう】
 司祭修道者が神の御許に召されました。ニコラス神父様は福音宣教推進の中心でした。ネメシェギ神父様は多くの教えの著書を与え、シスター石川和子は聖歌の作曲で貢献されました。カルペンティール神父さまもそうです。病者のためにも祈っています。
 日々の事柄を祈りで受け止め、バランスをとって心を健全に保って過ごしましょう。

 
 

寄稿:カルペンティール神父様への感謝

= 寄 稿 =
カルペンティール神父様への感謝

関戸・一ノ宮地区 井上 信一

 5月17日付けのカトリック新聞で、カルペンティール神父様が3月20日に帰天されたことを知りました。この記事が目に入った瞬間、ついに亡くなられかという悲しみと共に、101歳までよく頑張られたという感嘆の気持ちがこみ上げました。カルペンティール神父様は、当教会聖堂の窓を飾るステンドグラスを作製して頂いた方です。

 献堂前年の1999年、当時の主任司祭 宮下神父様の要請を受けて、カルペンティール神父様はこのステンドグラスの作製に取り組まれましたが、神父様は新宿区百人町にあるドミニコ修道会の「学生の家」を本拠とされていました。製作状況を見たいと思い、工房を訪ねましたが、工房と言っても、物置小屋のような雰囲気の雑然とした作業場でした。一瞬、こんなところでステンドグラスが作れるのかと不思議に思ったほどでした。しかし、制作中の神父様を見ていると、その真剣な眼差し、素早い手作業で見事に色付けされたガラスが鉛の紐で、一つの絵にまとめられて行かれるので、ステンドグラスの誕生を僅かながら、垣間見た思いがしました。
 神父様の学歴や美術家としての業績、そして多摩教会のステンドグラスについては、教会ホームページの「教会案内」に詳しく書いてありますので、ご参照下さい。特記すべきことは、若い時から美術を学ぶと共に、19歳で聖ドミニコ修道会に入会し、ベルギーの最高学府であるルーヴァン大学で学ばれ、1944年に司祭に叙階されたことです。
 宣教師として1949年に来日され、その翌年には東京芸術大学に入られ、日本画を学ばれました。その精力的な学習と芸術活動の広さと深さには、驚かされます。それは、作品の様式が多彩なこと、その数量が半端でないこと、活動の範囲が世界的であること、などなどです。

 2010年5月の献堂10周年には、記念ミサを歴代の主任司祭と共に、共同司式され、その後、ステンドグラスについて講話をして頂きました。小生が最後にお会いしたのは、2014年の秋で、引退の可能性について話され、故郷のアントワープに帰るか、四国にある養老施設に入るか、迷っているような話をされました。その後、送って下さったクリスマスカードの住所がアントワープであることから、やはり故郷を選ばれたことが分かりました。昨年末のカードが最後のものになりました。
 人柄は物静かで、優しい方で、それは作品の中の人物の眼差しにもはっきりと表れています。こちらの無理なお願いでも、断られたことは一度もありませんでした。ただ、絵の勉強を教わった方々には、あるいは厳しかったのかも知れませんが。
 2018年9月の100歳のお誕生日には、ベルギーのフィリップ国王からお菓子と記念品、アントワープ市長から花束が贈られ、沢山の人々が集まり、誕生日を祝われたとのことです。
 因みに、カルペンティールというお名前はフラマン語の発音で、仏語ではシャルパンティエ、大工さんという意味です。二つともベルギーの公用語です。
 カルペンティール神父様は今、主のみもとでも、相変わらず沢山の絵を描いておられるのでは? どうか安らかに憩われますように! 感謝の気持ちを込めて、お祈りいたします。

教会は機能しています

教会は機能しています

主任司祭 豊島 治

 (この原稿は編集の方が指定した締め切りの1時間前、4月29日午前8時21分に記しています。情報はこの時点での内容です)

1. 前号ニューズ巻頭言の結びは「ゼロでいます」でした
 前回の多摩カトリックニュースは3月21日発行なので一カ月も間が空きました。教区の指針が頻繁に出される中で、どの時点で発行するのがニュースとしてふさわしいかという問いかけの中で、4月末が適当と判断し、4月18日発行を延期したのです。
 前号で巻頭言の結びは以下の内容でした。
 ● 一人で祈っているとしても、祈りは一人ではない、万軍の天使が共に賛美をしている。
 ● マイナス気分になりそうなときは、せめて「0(ゼロ)」状態にもっていきましょう。それより無理に高くせず、低くなりそうなときは復活を通した主の力を求めましょう。
 しかし、自粛が3週間も続くと別の感情と考えが出てきてしまうものです。「話したい」「楽しみたい」「別のことをしたい」「逃げたい」という気分の転換です。ゼロにするのは難しくなっています。そんなとき、どうしていますか?
2. 毎日15分の祈りを
 青年時代、祈りを教えてもらった時、「1日15分祈るといいよ」と言われました。1日は1440分。1日のおよそ100分の1を神様との時間を持つというのです。はじめは集中できなくて苦痛でしたが、今は、インターネットやテレビの情報で気持ちが振り回されることの抑止になっていると、愛されているという原点に戻れていると、教わった仲間と分かち合っています。
 私は「ミサに出席できない間のすごし」を全信徒に発行していますが、時間的配分に活用できる構成となっています。15分の祈りの流れを習慣づけるためにお使いください。
3. 多摩教会を意識するための「本日の多摩教会」ブログを活用して
 公開中止となっても、ミサがいつも通り多摩教会聖堂で行われています。ただ信徒が参加できないだけです。教会法で聖櫃がある聖堂では、月二回ミサが行われなければなりません。祭壇も主日には飾られているし、総務・会計などの運営機能はいつも通りです。東京の教会の情報が来ましたら、ブログに載せるよう心がけています。「今」を知るツールです。毎日の祈りの前後にお使いください。(多摩教会入門係ブログのサイトを一時お借りしてUPしています)
4. 神の臨在を感じ取るために
 インターネット配信のミサが行われていますが、そのミサ説教の中でこのような言葉がありました。
 「インターネットでミサを配信することで、即座にもう教会の建物はいらない、教会はバーチャルで充分だと結論づける誘惑もありますが、わたしは、教会共同体の意味を、あらためて落ち着いて見つめ直す機会が与えられていると思っています。ただ単に、日曜日にミサに出ればそれで終わりの教会ではなくて、日常生活の直中で、人間のいのちの営みに直接関わる教会のあり方を、あらためて模索する機会を与えられていると思います。信仰は生きています。」(4月26日、菊地東京大司教ミサ説教)
 神の臨在を感じるための、受け身でない行動も期待されています。行動する時期は今かもしれないし、安全になってからかもしれません。それぞれの立場でしょう。
5. 教会はこの事態にどう向き合うのか
 東京大司教は私にこんな内容を伝えてきました。

 「東京教区としても今回は大災害のようなものですから、いのちを守るために何ができるか、具体的な検討をしていったらよいと思います。(中略)この時期を利用してアイディアを出した方がよいと思います。それは心に留めてください。」
 現段階での情報をお伝えします。

 5-1 カリタスジャパンは募金を開始しました。
 スピードあるケアが必要な現在、以下の内容の支援のための募金を開始しました。今回は具体的に支援先が決まって募金という流れではなく、それぞれのカリタスジャパン教区担当がその現場の必要に応じて、つなぐ方式としています。それはタイムリーな支援の形であると思います。募金方法はカリタスジャパンのHP(こちら)で確認ください。
 ● 住まいや食糧、衣料や居場所の確保、滞日外国人のケア
 ● 優先される方々へのサポート、情報の保証、医療などを重点対象として支援

 5-2 東京教区福祉委員会がマスク&ポンチョを集めています。
 感染の危険を顧みず、医療や福祉に従事されている方々の現場では、身を守るためのマスクやポンチョの不足が深刻化しており、東京教区福祉委員会で集めています。もちろん自身と周りのためにマスクが必要です。余裕がありましたら検討ください。送料は自己負担でお願いします。東京教区HPに掲載されると思いますが、多摩教会マスク係まで送りください。
 ということで、豊島神父のためにお祈りください。頑張っています。

 今まさに、必死になってウイルス感染の危機と向き合っている人がいます。
 自身の感染の危機を顧みず命をつなぐケアをしている人がいます。
 一人でなく私たちがつながって乗り越えることができた。
 その事実を証しするため、その歴史を刻んでいくために、ご協力お願いします。

「0(ゼロ)」でいます

「0(ゼロ)」でいます

主任司祭 豊島 治

(この原稿は編集の方が指定した締め切りの2分前、3月21日午前7時58分に記しています。情報はこの時点での内容です。)

 多摩教会横の桜も開花し、復活祭の光景は揃っています。寒暖差はあるものの暖かさは極端で同時に蚊も元気に活動しています。春と夏の象徴が重なっているという不思議な状況です。
 不思議な状況というより異常な時間が長く続いています。近辺では2月14日に都内タクシーの乗務員が「新型コロナウイルス感染症」(COVID-19)という報道があってから、見えない恐怖の中に過ごす意識となっています。
 多摩教会は前号の多摩カトリックニューズに記載したとおり(※1)、大司教の示した指針をもって対応しています。しかし、アルコール消毒液の設置に関しては、世間と同じように品薄で溶液が不足しています。薬用石けんは教会内の水場すべてに設置しましたので、こまめな手洗いで対応してください。いわゆるペーパータオルは指針に従い撤去しました。ご自身でお持ちください。

 2週間のミサ公開中止という、私にとっては初めての通達を受けとり、そこからまた延長されています。ミサのために教会に赴くことが叶わないのですから、今までの「通常」を維持していくということが、いかに大きなことか考えさせられます。
 中止期間一カ月を迎えようとする今、忍耐の限界になったという手紙が届くようになりました。ミサを再開してほしいというものです。世間のイライラ度が高まっているようですから、気持ちはよくわかります。しかし、公式の通達をもって対応しているので、ご理解いただきたいと思います。

 見えない恐怖という言葉を思うとき、ふと2011年の福島原発の影響による恐怖を思い起こします。地震のあとの恐怖から自分自身を持ち直すため、3月11日の教会で行われていた(当時私は秋津教会にいましたが)十字架の道行には大勢の人が来られ、地震速報のアラームが時々鳴る中、そして揺れもありながら、道行の「留(りゅう)」を回ったのです。しかし、今回は集まるということができません。クラスターを危惧しているからです。自分自身で信仰をもって毅然と過ごすという課題がでました。時期的に偶然ですが、これが私たちの四旬節におけるタスクでしょう。
 インターネットで対応できることは実行するという試みも始まりました。教皇ミサも時間差はありますが閲覧できます(※2)。東京大司教のミサもできます(※3)。しかし、これだけでは足りません。あくまでも緊急処置です。そこで、主日の聖書箇所を味わうために、あえて文字にした手引きの冊子を多摩教会信徒の皆さんに送付しています。主日である日曜日に、落ち着いた時間を持って聖書と霊的聖体拝領を味わってください。ふだん聞き流してしまう聖書の一言一句も、説教や祈りも、文字と自分の気持ちをあわせると、それはご聖体の存在に対する意識に加わるものがあります。黙想に近いことができるチャンスをもって、またお互いお会いしましょう。

 よく、「神父さま、お休みができていいですね」と言われますが、ミサの公開中止というのはお休みではありません。私にとっては、ミーティングがない分、狭い範囲で対応せねばならないし、司祭はミサを休むということではありませんので、務めは行っています。光景は、むしろ一人で朗読し、誰とも言葉を交わすことなくミサが行われるということになります。
 昔の先輩神父さまは、神学生の私を指導する中でこうおっしゃいました。「一人で祈っていたとしても、祈りは一人ではない。そこには天使がいる。万軍の天使が共に賛美をしている。だから意識していなさい」と。今こそ、私たちの神に向かう祈りは共同の祈りとつながるのでしょう。

 23日には新たな指針がでるということですから、復活祭がどのような処遇となるかわかりません。通達次第では、その後も気持ちにチャレンジ精神を必要とするでしょう。
 マイナス気分になりそうなときは、せめて「0(ゼロ)」状態にもっていきましょう。それより高くする必要はありません。「0(ゼロ)」になったとき、自分が見えます。そして十字架を通した復活の力強さを得ることになると考えましょう。

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【 参 考 】
(※1)「多摩教会は前号の多摩カトリックニューズに記載したとおり」
 「多摩カトリックニューズ2月号」の主任司祭巻頭言をご参照ください。
 >  主任司祭 豊島 治 「正しく学びます」(『多摩カトリックニューズ』2020年2月号 巻頭言)
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(※2)「教皇ミサも時間差はありますが閲覧できます」
 「The Holy See」などをご参照ください。
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(※3)「東京大司教のミサもできます」
 「四旬節第三主日以降のミサ動画配信(2020.3.12)」(カトリック東京大司教区「東京教区からのお知らせ」)をご参照ください。
・・・・ < 文中へ戻る